胃痛・胃もたれ
「胃痛・胃もたれ」とは?
胃は伸縮自在なゴムに似ていますが、この弾力性が失われると、食べ物が胃の中にいつまでも残っている感じになります。これが「胃もたれ」です。
「胃痛」は、空腹時にみられたり、食事のあとに鈍痛を感じたりします。
こういった胃の症状はよくみられうもので、ある調査によると日本人の約4人に1人は胃の症状に悩んでいるという結果がでています。
「胃痛・胃もたれ」の原因
・「胃痛」は胃酸の出過ぎ
胃痛は消化性潰瘍があうと起こることが多いのですが、胃粘膜に潰瘍がなくても胃に強い刺激が加わると、胃痛が起こることがあります。
胃痛を起こす強い刺激として、胃酸の出過ぎが考えられます。その原因として不規則な生活、食べ過ぎ、ストレスがあげられます。ほかにも薬の副作用によって胃の保護機能が低下し、胃酸から胃を守れないために起こる胃痛もあります。
・「胃もたれ」は胃の運動機能低下
胃はぜん動運動により、食べ物と胃の消化液である胃酸を混ぜ合わせて消化し、小腸に送り出しています。しかし、不規則な生活、食べ過ぎ、ストレスなどで胃に過度な負担がかかると、胃の運動機能が低下して消化がスムーズに行われなくなってしまいます。そのため胃に食べ物が長くとどまってしまい、胃もたれの原因になってしますのです。
食材や調理法に気をつけてみよう
・食材の選び方
--胃痛や胃もたれのある人は、できるだけ胃に負担をかけないように消化のよい食材をえらびましょう--
消化の良い食材
紹介のよい食べ物として卵、牛乳、大豆製品があげられます。卵は半熟が最も消化がよいです。牛乳は胃に負担をかけず、胃酸の酸性度を抑えますから、胃壁の保護に役立ちます。少し温めて食間に飲むのもいいでしょう。また、大豆製品には豆腐、きなこ、味噌などがありますが、良質な植物性タンパク質を含んだ食品ですので積極的に取りましょう。
脂肪は消化に時間がかるので、肉類の場合は脂肪の少ない鶏のささみ、牛・豚のヒレやモモ肉などを選ぶとよいでしょう。
また食物繊維が豊富な野菜類も忘れずにとってください。カボチャ、ダイコン、ニンジン、トマトなどのように煮込んで柔らかくなるものを選ぶといいでしょう。
症状のあるとき避けたい食材
肉の脂身やハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工食品は脂肪が多く胃に負担をかけるので避けましょう。
また胃を刺激し、酸分泌を高める物として、香辛料(とうがらし、わさび、こしょうなど)、カフェインを多く含むもの(コーヒー、前茶など)があげられます。
そして、消化の悪い食べ物として、イカ、タコ、貝類、煮込んでも遷移が壊れにくい野菜類(ワラビ、ゴボウ、キノコ類など)があげられます。
調理上の注意
同じ食材でも火を通して柔らかくしたほうが消化がよいです。また、油であげるよりは、煮る、ゆでるといった調理法の方が胃に負担をかけません。
食べ方に気をつけよう
・こんな食べ方をしていませんか?
胃の症状は胃の機能低下によるもので、その原因の一つに食べ方があります。胃の負担になる食べ方をしていないか確認し、もし当てはまるようだったら注意しましょう。
[ 早食い ]
よくかますに飲み込むように食べる早食いは、食べ物と一緒に空気も飲み込んでしまい、胃が必要以上にふくらんでしまいます。そして胃が膨らみすぎると、胃の内圧があがるので、それが原因であなかが苦しくなったり、痛みがでたりします。
[ 食べ過ぎ ]
食べ過ぎて胃に食べ物がいっぱい詰まった状態になっても、胃は必要以上に膨らんでしまいます。そして、食べ物が消化しきらずに胃に残ってしまうことがあり、それが小腸へ押し出されると、消化がスムーズに行われません。
[ すする ]
すする食べ方でも空気を飲み込んでしまうので、早食いや食べ過ぎと同様に胃が膨らんでしまい、胃に負担がかかります。
食べ方のアドバイス
・食事は規則正しく、腹八分目に
・食後は30分から1時間ほど休憩しましょう
・時間に余裕を持ち、食事を楽しく、おいしくとりましょう
「胃痛・胃もたれ」の治療
食事や生活習慣を気をつけても症状が良くならない場合は、病院に相談しましょう。
薬を服用することで、症状の改善を図ります。
・胃痛の治療
胃痛は胃酸が出過ぎるためにおきていることが多く、「H2ブロッカー」などの「酸分泌抑制剤」で胃酸の分泌を抑えると症状が軽減します。
・「胃もたれ」の治療
胃の蠕動運動を活発にして、消化を促進する薬である「消化管運動機能改善薬」を使います。この薬は胃の蠕動運動を高め、症状の改善に役立っているといわれています。
(Yamanouchi)