初めてのゲレンデ


2月12日 トンネルを抜けると...

東武線 浅草駅のホームを出たのは、午後1時過ぎのことだった。 これから行くのは、福島県 会津田島。私の通う大学の、研修施設があるのだった。
今回のスキーも、体育の集中授業で、単位もちゃんと付いてくる。スキーを教えてくれて、さらに単位までくれるとは、なんてすばらしい授業なんだ!

そう。私は宮崎生まれの、宮崎育ち。雪を見た事なんて、ほとんどなかった。 スキーができることも、もちろん楽しみにしていたが、それ以前に、自分の背丈よりも 高く積もった雪を見ることが、楽しみだった。

やがて、電車は、長い長いトンネルにさしかかった。そしてトンネルを抜けたとき、そこは、夢にまで見た、銀世界が広がっていた。

「トンネルを抜けると、そこは雪国でした」小説のくだりそのまんまの感動を覚え、私は車窓を流れる景色を、飽きることなく眺めていた。

2月13日 スキー入門

ゲレンデに着くと、学生たちは経験ごとに振り分けられる。 当然、私は初心者コースへ。クラスの悪友2人も一緒だった。 大学の体育の先生が、ていねいに指導してくれる。
まずは、ゲレンデの下の方で、片足ずつスキーを履いて、歩く。とにかく、 滑る感覚をマスターしなさいとのことで、午前中は、ただ歩くだけだった...

午後からは、ちょっとずつ滑り出した。 とはいっても、リフトなんか乗れるわけもなく、「自力で」斜面を登っては滑り、 登っては滑るという、つらい作業を繰り返した。絶対、滑っている時間よりも、 登っている時間の方が長いーーー(^^;;;

2月14日 滑る?こける?

生まれて初めて、リフトに乗った。気持ちいいやら、怖いやら、ちょっと 複雑な気持ちのする乗り物だ。
そしていよいよ、初心者コースに挑戦。なんだか怖い。
先生の滑ったように、滑ってきなさいと言うのだが、無茶な話だ。 まず、スタートするのに心の準備がなかなかできない。

「えいやっ」とスタートするが、思うように曲がらないし、止まらないし、他の人も滑ってくるし、八方ふさがりでこけてしまうのがオチ(^^;
思い通りに行くのは、10本中3本くらいか。

午後は、ビデオ撮りをやった。自分のフォームをチェックするという意味で 撮るらしいが、実は例年、帰った後の、酒の肴になっているらしい(^^;
とりあえず、ビデオに撮られるときだけでもちゃんと滑ろうと、 気合いをいれて滑る。うまい具合にターンして、最後はカメラに向かって直進。 カメラをかすめてポーズ。うんうん、なかなか上達してきた。

2月15日 滑る!滑る!

リフトに乗る乗る。滑る滑る。上達してきたけど、やっぱり、私はよくこける。 なんとか、スキー板をそろえたまま横滑りして止まる、あれをやりたいのだが、 なかなかできない(^^; それで、こけまくることになるのだった。
緩斜面だったらいいが、ちょっと急になると、コントロールできなくなる。 体重のかけ方が甘いのかなぁ。

宿に戻って、今日は最後の夜。
全員でどんちゃん騒ぎだ。飲んで、歌って、芸をやって。ご氏名を受けた私も、 恥ずかしながら、みんなの前でカラオケなど1曲...「もしかして Part2」なんか うたっちゃいました(^^;
たのし、たのしで、最後の夜も更けていきます...

2月16日 吹雪の最終日

そして最終日。風が強くて大変だった。ひどいときには、視界がゼロに近い。 そんな中を先生が、初級−中級コースに連れていくもんだから...
寒いし、吹き付ける雪が痛いし、雪面は見えないし、こけるし、もう、大変。 ラストは中級コースで大ゴケするし。
しまいには、班の1人が行方不明に...すぐに戻ってきたけど(^^;

そんなこんなで、長かったようで短かった初めてのスキーは、たくさんの 思い出を残して、終わってしまったのでした。