チェアスキーとの出会い (1998.3.6)


「チェアスキー」って何?

「チェアスキー」というのをご存じでしょうか?
パラリンピックでもよく見かけますが、名前の通り、イスに座るようにして滑るスキーのことです。普段、車椅子に乗っている人でも、スキーを楽しむことができます。

そんなチェアスキーを楽しんでいる人たちに、五ヶ瀬ハイランドで出会いました。
福岡市の、池口さん、南野さん、阿部さん(写真 左から)の3人です。
3人とも、普段は車椅子で生活しているそうです。



一番キャリアの長い阿部さんは、昨シーズン、チェアスキーをはじめました。
写真を見てもわかるように、雪煙を立てながら、さっそうと滑ります。
五ヶ瀬パラダイスコース 500メートル後半の坂を、いとも簡単に滑ります。
といっても、きっとすごく難しいんだろうな...
スピードも、結構出てます。

両手に持っているのは、なんとかいう名前がついていました。
普通のスキーのストックのようにも使えるし、ソリの形になって、補助スキーのような使い方もできます。これで、バランスを取るみたいですね。



難しそうで、大変そうだけど...

やはり、こけたときが一番大変だそうです。
写真は、起きあがり方を指導しているところ。
両手のストック(って名前じゃないんだが)を使って、腕力で体を起こします。
ちょっとでも力のかけ方が悪いと、ズルズル滑るだけで、立ち上がれません。
腕力もいるし、要領もいる。結構、大変そうでした。
でも、普通のスキーでも、こけたら立てない人って多いですよね(^^)

でも、そのへんはやっぱり「慣れ」なんでしょう。
写真右の阿部さんは、山側にスキーがあっても、ちゃんと立ち上がってました。
普通なら、体を軸にスキーを谷側に持ってきて、立ち上がるのでしょうけど、なれれば逆でも立ち上がれるんですね。



スキー場の受け入れ態勢は?

気になったのは、スキー場側の、受け入れ態勢でした。
話によると、大山、五ヶ瀬、天山は、快く受け入れてくれたそうです。
でも、まだまだ受け入れてくれないスキー場も多いとのことでした。

五ヶ瀬が快く受け入れたというのは、失礼ながら、意外でした。
第三セクターだから、というのもあるかもしれませんが、対応はとても良く、 インストラクターの先生たちも、親切にしてくれたそうです。
最後は、先生たちも「おもしろそう」とか言って、チェアスキーに乗せてもらったとか(^^;


3人が楽しそうに滑っているのを見て、スキーって、やっぱり、楽しくて、すばらしいものなんだなー、と、あらためて思いました。
最近、検定だ、競技だ、と、ついつい深刻になりがちなんですが、スキーは本来、楽しむものなんですよね。
3人に出会ったあと、ますます、スキーを好きになったような気がします。

快く取材に応じてくださった3人と、お連れの方、本当にありがとうございました。
3人の楽しそうな笑顔が、なによりも印象的でした。
これからも、チェアスキーライフを、楽しんでくださいね。