牛乳の正しい姿を理解しよう。

新しい表示法。

牛乳を買おうとしたとき、スーパーの棚にいろいろな種類があって迷ったことはありませんか?

商品名を見ると「○○牛乳」と書いてあるのに、表示欄の「種類別」では「加工乳」や「乳飲料」となっていることに、普通の牛乳とどう違うのだろうと疑問に思った方も多いと思います。

牛乳は品質保持期限など表示については、もっとも厳しい食品だといわれています。

それだけに消費者の皆さんにわかりやすい表示をすることは大事なテーマでしたが、

昨年の12月22日、牛乳の表示に関する規則が変わり、1年間の移行期間を設けて実施されます。

新しい表示のルールはどのようなものか、これから牛乳を選ぶときのポイントになることを、ご紹介しましょう。

 

牛乳と加工乳、乳飲料の違いは?

 表示のところに「種類別・牛乳」とあるものが、皆さんの考える100%生乳を使用している牛乳です。牛乳とは、正確にいうと乳牛から搾ったままの「生乳」を加温殺菌したもののこと。水や他のものは1滴も入っていません。これは厚生省によって決められています。 

 また、混ぜ物なしでも、生乳から脂肪分だけを減らして、乳脂肪分3.0%未満〜0.5%にした「部分脱脂乳」や乳脂肪分を0.5%未満まで減らした「脱脂乳」もあります。

 「加工乳」とは生乳にバター、クリーム、脱脂粉乳などの乳製品を加えた「濃厚牛乳」や生乳に脱脂粉乳を加えて脂肪分を低くした「ローファットミルク」などをいいます。

 「乳飲料」とは、生乳または乳製品に果汁やコーヒーの抽出液、香料、あるいはミネラルやビタミンなどの栄養成分を加えたもののことを指します。

 

これからは生乳の割合を基準に

 これまでは加工乳や乳飲料は、生乳を使わなくてもバターや乳製品を使って牛乳と同じ成分(乳脂肪分を3.0%以上、乳脂肪を除いた固形分であるカルシウムやミネラルなどの無脂乳固形分を8.0%以上)に調整すれば、商品名に「○○牛乳」と表示してもいいことになっていました。

 それがこれからは、生乳の使用割合が50%以下のものには、「牛乳」の文字は使えなくなります。さらに生乳の使用割合を、義務ではありませんが、製造者それぞれの判断で表示するようになりました。これによって生乳が何%含まれているかということを、選ぶ基準にできるようになったわけです。

 もう一つは原材料名表示のあり方が変わります。これまでのような「乳又は乳製品」というわかりにくい表現をやめて、「乳」、「乳製品(脱脂粉乳、バターなど)」というように、含まれている個別の製品名を記入することになりました。

 このように新しい表示のルールに変わっても、「種類別・牛乳」とできるのは生乳100%のものだけです。日本の自然と酪農家の日々の努力で生まれた本物の牛乳のおいしさを、ゆっくり味わいながら飲んでみましょう。

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