初版:2003/06/29
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ニューヨーク旅行記 2003/06/17〜21

2003/06/17〜21にかけて,ニューヨーク(NY)へ行ってきました。これはその個人的な記録です。仕事の出張としての短い旅行だったため,ロクに観光はしていません。そのため読んでもつまらないかと思いますが,NYの食事やネットワーク事情について参考になることがあれば幸いです。(笑)

06/17 今年一番長い日

いよいよ出発の日。成田空港へはJRの成田エクスプレスで行くことにし,すでにチケットを買ってある。ちょうど良い時間には池袋発の列車が無いため,新宿08:03発の列車にした。前夜は荷造りに手間取り,結局4時間ほどしか寝られなかった。まあ飛行機の中では寝るぐらいしかすることがないので,寝不足気味で行く方が良かろう。

大江戸線や新宿駅の混雑が心配だったが,それほど問題なく乗り込むことができた。さすがに閑散期なので成田エクスプレスはガラガラだ。列車の中で昨日買った腕時計のマニュアルを読む。電波は一応受信できているみたいだが,強度が弱くて結局電波での校正はできなかった。

09:28に成田空港第2ターミナルへ到着。航空会社のカウンターは3Fにあるのでエスカレータで上がる。JALのカウンターは入ってすぐの正面にあった。係員のお姉さんに声をかけられたのでそのまま指示にしたがってチェックイン手続きをやってもらった。実際には機械による自動チェックインなので自分でもできるのだが,閑散期でお姉さんも暇なのだろう。

簡単な荷物検査を受けてからスーツケースを預けると時間がだいぶあるので,クレジットカード会社のパンフレットにあったラウンジに向かった。これは4FのVIPルームのエリアにあり,ゴールドカード会員専用ラウンジということだが,実態は日本の大手クレジット会社各社の共同運営という事のようだった(つまりどこかのゴールドカードがあれば入れる)。PCのネット接続も可能と書かれていたが,単にISDNらしき口があるだけだった。モデム用ケーブルは持ってきてないのでこれはあきらめ,他の席に座った。空港には無線LANがあるらしいと聞いていたのでノートPC(CF-R1)の無線LAN I/Fで接続を試みる。次の2つのネットワークを検出した。

0033 正体不明。単に接続しただけではIPを割り当ててもらえないようで,使えなかった。後で調べたらどうもNTTコミュニケーションズのHOTSPOTという有料サービスらしい。
NRT-AIRPORT 成田空港のオフィシャルなサービスらしい。しかしこの部屋では電波が弱く,つながったりキレたりして要領を得ない。

つながらないのでは仕方がないので,フリードリンクを1杯だけ飲んでからラウンジを出て3Fフロアに降りてみた。ここだとNRT-AIRPORTに安定してつながるようだ。ただ,10.x.x.x のプライベートアドレスになっており,外には出て行けないようだ。Webブラウザを立ち上げるとどこにアクセスしようとしてもNRT-AIRPORTのサイトにリダイレクトされてしまう。サイトの説明によるとこのサービスは一応無料だが,基本的には国際ローミングサービスに対応しているプロバイダのアカウントを持っていないと使えない仕組みになっているらしい。現時点で使えるプロバイダとしてリストアップされているのは@NIFTYSANNETなど数社だけだ。もちろん将来的にはもっと増えていくのだろうが。ともかく,私は対応プロバイダのアカウントは持っていないので使えない。

もっとも,そういう人を救済する仕組みも一応用意されていた。1日限りのアカウントを発行してくれるワンデイアクセスサービスというものがあり,クレジットカード決済ですぐに使えるようになる。価格は1000円で,24時間有効ということだが,実際には90分後には機上の身となるわけなのでかなり割高になる。24時間なんて要らないからもう少し安くならないものだろうか。

空港内のマップを見ると,出国カウンターの先の制限エリアに「YAHOO! Cafe」なるものがある。こちらは無料でインターネットへアクセスできる場所らしい。面白そうなので,出国手続きをすませてそちらへ向かった。

このカフェでは備えつけのノートPC(IBM Thinkpadのでかい機種)を使ってインターネットアクセスができるが,自前のPCを持ち込んでつなぐことは許されていない。しかし無料なのでとりあえず入ってみた。入り口でパスポートのコピーをとられ,USBキートークンを渡される。これはハッキング行為を抑止するためらしい。あまり気持ちの良いものではないが,仕方ないか。

渡されたトークンをUSB端子に差し込むとすぐにWindows XPが使えるようになっていた。しかしシステムポリシーで大幅に機能制限がかけられており,Internet ExplorerとYahoo! Messengerぐらいしか動かないようになっている。telnetが起動できないか考えたが,Explorerもコマンドプロンプトも起動できない状態ではどうしようもなかった。

出発時刻(12:00)が近づいたので,会社のNYオフィスの人たちへのお土産を買いに免税店へ行く。和菓子が良いだろうと思ったのできんつばを購入した。しかしここの店だとあまり選択肢が無いので,出国手続きの前に外で買っておいた方が良かったようだ。

テクノジャンボでニューヨークへ

11:45分頃になって飛行機に搭乗。機体はテクノジャンボ(B747-400)だ。12:00過ぎに予定通り離陸。NY直行便なのでアラスカ上空を経由するコースになる。つまり方角的には北東に向かっているはずなのだが,日差しがずっと左側の窓から差していた。

座席はエコノミークラスだが,2階席を選択してみた。2階席は古いジャンボでは上位クラスのみだったが,この機体ではエコノミークラスの席もある。エコノミークラス2階席は3列シートが2本並ぶ形で,まるでB767の中みたいである。窓際の席だが少し遅れていったため,座席上の荷物入れはすでに隣の人たちの手荷物で満杯になっていた。やれやれ,座席下に置くしかないかと思いながら座ると,窓際にサイドテーブルみたいな空間があり,中が荷物入れになっている。これはなかなか便利だ。サイドテーブルとして物を置いたりできるし,飛行中に開けて荷物を出し入れすることもできる。ルール上は禁止事項なのかもしれないが,そう頻繁に開け閉めしたり開けっ放しにしたりしなければとくに咎め立てられないようだった。窓際席はトイレの際に隣の人に迷惑をかけざるを得ないので,この手の長距離便では通路側席より人気が低いのだが,このテクノジャンボ2階席に関しては正解だと思った。

というわけで,ノートPCを取り出して機内でこれを書いている。携帯電話など電波を出す機器は飛行中に使ってはならないことになっているが,パソコンはOKらしい。でも無線LAN I/Fを内蔵しているこいつはヤバイ気がするのだが。(笑)

一応BIOSで無線LANモジュールを無効化してから使っているのだが,ほんとにこれで電波出さないようになってるんだろうか? まあ何かおかしなことがあれば注意されるだろう。どうせ内蔵バッテリーはそんなに持たないのでずっと付けっぱなしというわけにもいかないし。

13:30頃になって機内食が出た。結局この昼食がメインの食事で,あとは到着の3時間前あたりに朝食のような食事が出るだけのようだ。小さなトレーで出てきた食事は,全体的に量が少なめだが,最近小食になった私には十分な量だった。メインディッシュは「ビーフシチュー」か「鶏竜田揚げ野菜あんかけ 御飯添え」の選択だったので,竜田揚げを選択した。しかし出てきたものは普通の唐揚げにあんかけしたもので,竜田揚げではなかった。まあこれはこれでおいしいからいいんだけど。(笑)

テクノジャンボでは各座席の前に小型の液晶モニタが付いており,映画を見たり世界地図上で現在位置を表示させたりすることができる。この液晶モニタは視野角が非常に狭くなるように意図的に作られており,臨席のモニタは真っ黒に見える。その現在位置表示によれば,16:20頃に東経(西経)180度線を超えた。日付変更線が西に張り出しているところを通過しているため,すでに日付は昨日(6/16)に戻っている。現在位置のタイムゾーンの時刻では20:20だ。しかし左側の窓からの日差しはまだ続いている。ほとんど真東に向かっているのだが,夜なので北極の向こう側から太陽光線が来ているわけだな。白夜とはこういうものか。結局到着までずっと空が暗くなることはなかった。ちなみに高度は1万メートル強で,機外の温度は−56℃だそうだ。まさに北極圏である。

結局機内では食事をしたり眠ったり,雑誌を読んだりして過ごした。時々PCを取り出してこのレポートの原型となった文書を書いたりもしていた。実際文章を書いていれば退屈しないんだよな。私の場合。(笑) PCの電源がずっと持つようなら本当にずっと何か書いていたかもしれない。

予定通り,現地時間の11:30頃にNYのJFK空港に到着した。日本時間では翌日の00:30なので,飛行時間は12時間半である。空から見るNYの市街は道路や建物が非常に整然と並んでいて美しい。都市計画とはこういうものだよな。無秩序が普通な日本の大都市に慣れていると新鮮に感じる。

マンハッタンのミッドタウン

入国審査も無事にパスし,荷物を引き取って外に出た。NYオフィスから出迎えのY氏が来ており,初対面だが無事に会うことができた。Y氏の用意してくれたリムジンで宿泊先のHILTONホテルへ向かう。マンハッタンの中心部であるミッドタウンにある高層ホテルだ。JFK空港はNY郊外にあるため,45分ほどかかった。

ホテルにチェックインして26階の部屋に荷物を置き,顔を洗ってからまず昼食に向かった。正直言ってそれほど空腹感はなかったのだが,せっかくY氏が誘ってくれているので共に近所の和食の店に歩いて向かった。51th St.の8th Ave.と9th Ave.の間にある「SUSHI yasu」という寿司屋だが,日本の定食屋のような定食メニューもある。鶏照り焼きの定食を食べたが,とてもおいしかった。ウエイトレスも日本人なので日本語が通じる。新しい店なのでまだガイドブックにもあまり載っていない穴場だそうだ。

その後,すぐに会社のNYオフィスに歩いて向かった。NYオフィスはHILTONホテルの近くの高層ビルにある。そもそもこのあたりは40階を超える高層ビルが無数に林立しており,低層ビルの方が珍しい所だ。新宿の高層ビル群は各ビルの間に空間がかなりあるが,NYの摩天楼は本当に各ビルがぎっしり隣接して建っている。普通のオフィス街の各ビルがそのまま高層ビル化したという感じである。

NYオフィスでさっそく仕事にかかった。今回の出張の目的はNYオフィスのネットワーク環境を調査し,問題となっている点を解決することだ。NYオフィスは少人数であるため技術担当者が居ない。外部の業者にサポートを頼んではいるが,どうにも要領を得ないので誰か行って調べて来いということになったわけだ。

だいたいの状況がつかめたところで夕方になった。さすがに睡魔が襲ってきて眠い。Y氏もそのあたりを配慮して,戻って休んだらいかがですかと言ってくれたので,そのままホテルに引き上げた。本来なら夕食の時間だが,とにかく眠いので風呂に入ってからすぐに寝てしまった。37時間続いた6月17日がようやく終わった。

06/18 NYのネットワーク事情

最近のアメリカのホテルでは客室にLANの口がついていてインターネット接続ができるケースが多いらしいが,このHILTONホテルの客室にはそういうものが付いていなかった。いろいろ事情があってあまり下調べもせずに宿泊先を決めてしまったのだが,失敗だったかな。もちろん電話の口はあるのでモデムでつなぐことは可能だ。しかしいまさらモデムというのも何だしなあ。

ちなみに室内のテレビにはワイヤレスキーボードが備えつけてあり,いわゆるインタラクティブテレビになっている。Nintendo64も内蔵していてゲームもできるらしい。これを使えばWebにアクセスすることも可能なようだ。もっともテレビの画面では細かい字が読めないし操作性も悪い。しかも別料金で課金されるということなのであまり使う気にはなれなかった。

朝は07:30頃に目覚めたので,そのまま1階に降りて朝食に向かった。1階に「NEWYORK MARKETPLACE」というレストランがあり,ここで朝食を取ることができる。一応American,Continental,Japaneseから選択ということだが,バイキング形式なので何を取ってきても同じ価格だ。Japaneseつまり日本風の朝食もあって,ご飯に味噌汁や納豆などが置いてあった。

Continental風の朝食を食べて,伝票にチップの額と合計額を記入する。一般に税金の2倍ぐらいが妥当ということなので$3ほどチップをつけて清算しようとしたら,レジのおじさんに怒られてしまった。なんと合計額の計算を間違えていた。いかんな。(笑)

店を出てから,1階ロビーでノートPCを広げて無線LANがつながらないかどうか試してみた。というのも最近は無線LANのアクセスポイントがいたるところにあると聞いていたからだ。そういった情報も行く前に調べておけよというのはもっともだが,日本で得られる情報ではなかなか分からないのが実情だ。実際,ホテルの部屋にLANの口があるかどうかなんて普通のガイドブックやWebのホテル案内には載っていない。無線LANについてはWebで調べられなくもないみたいだが,いずれにせよ出発前は慌ただしくて調べている余裕がなかった。

しかし残念ながら何も検出しなかった。結局無線LANのアクセスポイントも無いようだ(実はこれは誤解であったことが後日判明)。ホテル2階には「Business Center」なるものがあり,パソコンやFAXなどが使えると書かれている。ところが2階フロアに行ってみると何やら大きな展示会イベントをやっていて,「Business Center」の場所がよく分からなかった。

この日は午前中に,会社のNYオフィスで出入りの回線業者と打ち合わせを行った。彼らの話によると,アメリカでは光ファイバーやADSLはまだまだ現実的なものではないそうで,実際このオフィスの回線もT1専用線を使っているそうだ。日本では月額5000円ぐらいで100Mbpsの光ファイバーが引けるようになっているわけで,あらためて回線事情の違いを実感することになった。かつては回線が高くて遅いという評価だった日本も,いまや世界でもっとも安く高速な回線が使える国になっているんだよな。そういう意味では我々はYahoo! BBと孫正義に深く感謝しなくてはいけない。(笑)

この日は前日までシアトルへ出張に出かけていたNYオフィス長のS氏が帰ってきていたので,アシスタントのGさんと3人で昼食に出かけた(Y氏は所用で出かけていた)。56th St.の5th Ave.と6th Ave.の間にある「KISHTI」というインド料理屋だ。バイキング形式のランチで,本格的なインドカレーをいろいろと食べることができた。こういう店だとつい食いすぎてしまうのが難点だよな。

午後はいろいろな仕事を片づける傍ら,空いた時間に無線LANが使えないか調べてみた。もちろんこのNYオフィス内にはそんな設備は付いていないのだが,同じビルにはいろんな企業も入ってるし,何か検出するのではないかと思ったのだ。案の定,3つほど無線LANを検出した。一つは某航空会社みたいだが,他は名前からは正体を推定できなかった。しかしいずれも接続には認証が必要なようで,タダ乗りはさせてくれなかった。当たり前か。(笑)

そうこうしている内に夕方になったので,戻って来たY氏も一緒に夕食へ出かけた。HILTONホテルの隣にある「REMI」というイタリア料理屋だ。ガイドブックにも載る有名店で,時々Madonnaが来たりもするそうだ。何を食べるか迷ったが,ウサギ(Rabbit)のローストがあったので注文してみた。日本じゃウサギはなかなか食えないし,もちろん私も初めてだ。実際に食べてみると,独特の臭みが少しあるものの,鶏肉によく似ていた。もちろん美味しいものだが,若干塩気が多すぎる上に量が多い(これはアメリカの食事全般に言えることだが)ので全部は食べきれなかった。それにしてもS氏やY氏はよく食べる。長年住んでいると食生活もアメリカ人並になってしまうんだなあ。

食事の後はもうかなり遅い時間になっていたので,そのままホテルに引き上げた。裏の駐車場側から入ったら,ホテルの警備員に呼び止められてカードキーを見せろと言われた。NYオフィスのあるビルでも出入りは厳しくチェックされていたし,やはり9.11事件以後はどこもセキュリティチェックが厳しくなっているそうだ。

06/19 ヤンキースタジアムとMamma Mia!

予定していた仕事はあらかた片づいた。午前中に最後の確認作業を終わらせ,午後からはS氏の手配してくれたヤンキース=デビルレイズ戦を見にヤンキースタジアムへ向かうことになった。今回予定していた唯一の観光だ。

短期の出張なので観光については何も考えてなかったのだが,せっかく松井の出るヤンキース戦があるので見に行きませんかと渡米前からS氏に誘われていたのだ。気を使わせてしまって申し訳ないかなと思っていたが,実際に会ってみるとS氏は大のヤンキースファンで,むしろこういう口実で試合を見に行けることを喜んでいるようだった。(笑)

あまり時間が無いのでお昼はオフィス出入りの弁当屋から弁当を買って食うことにした。日本でもよくある幕の内弁当そのものだ。こういうものも普通に食えるんだな。

今日はあいにく天気が悪い。小雨の降る中S氏,Y氏,Gさんと4人で地下鉄に乗ってヤンキースタジアムに向かった。NYの地下鉄は治安が悪いという話をよく聞くが,実際には通勤の足として普通に使われており,深夜を除けば安全上の問題はほとんどないそうだ。駅のホームへ降りていくと,もあっとした熱気を感じる。そう,日本と違って駅の冷房が無いのだ。今の季節はまだいいけど,真夏は大変ですよとS氏。

電車にはいかにもヤンキースファンというおっさんたちが大勢乗っていた。20分ほどでスタジアム駅に到着し,S氏の手配してくれていた入場券でレフト側の外野スタンドに座った。小雨は続いているが,この席は屋根があるので濡れる心配は無い。コーラとポップコーンを用意してさあこれから,という所でアナウンスが。

「This game was canceled.」

おーい。確かに雨は降ってるけど,このぐらいなら出来るだろう。しくしく。
4人でしばし呆然としていたが,中止の決定が覆るわけもない。仕方がないのでそのまま会社に戻った。ツイてないな…。

個人的にはそれほど執着していたわけではないので,「まあ仕方ないな」で済んではいたのだが,気落ちしているように見えたのか,S氏が何か他の娯楽行きませんかと言ってくれた。そこで少し興味があったあるミュージカルに行けないか聞いてみたら,夜の部のチケットを手配してくれた。「Mamma Mia!」というミュージカルだ。

日本でも劇団四季が演じている作品で,内容は心温まるドタバタコメディ。最大のポイントは音楽がすべてABBAのヒットソングであるという点だ。ABBA好きな私としては以前からちょっと気になっていた作品だったりする。

夕食を初日にも行った「SUSHI yasu」で済ませ,ブロードウエイにあるWinter Garden Theatreまで歩いて行った。当日になってあわてて確保したチケットだったので席は端っこの方だったが,2時間半のステージを十分に堪能した。それにしても役者さんたちは本当によく体が動く。最後は総立ちでディスコ状態というのは本当だった。こんなハードなステージを一日2回もやってるなんて,沢山食わないと持たないわけだよな。(笑)

終了は22:30なのでそのまま歩いてホテルに戻った。シャワーを浴びて出た所でS氏から電話がかかってきた。明日はもう帰国するだけなので,心配して電話してくれたようだ。本当に何から何まで世話になりっぱなしだ。

06/20〜21 帰国

帰りの飛行機は13:30発だが,警戒が厳しくなっているので3時間前には空港へ行った方が良いと旅行会社の担当者には言われていた。したがってこの日はもう何もせずに帰るだけである。

06:30頃に目が覚めてしまったので,そのまま朝食へむかう。今日はJapaneseにしてみた。バイキングなので,焼きシャケと餃子,納豆,漬け物各種,焼き海苔,豆腐,生玉子,生野菜といったものが並んでいる。御飯は普通のジャポニカ米で,あまりグレードの高い米ではない感じだが十分食えるものだった。味噌汁は具が全く入っておらず,横に置いてある乾燥ワカメと刻みネギを自分で入れるという仕組みだ。少し塩辛すぎる感じがした。納豆は日本でも一般的な四角い発泡スチロールの容器に入っていて,中身も日本のものとまったく同じだ。

食後は,持ってきたノートPCで無線LANが使えるかどうか再挑戦してみた。実は昨夜,26階の自室で無線LANを試していたら,いくつか検出したものの中に「hhorners」というものがあったからだ。「HHorners」とはHILTONホテルのメンバーズクラブの名前である。残念ながら電波が弱く,きちんとつながる所までは行かなかったが,このホテル内で無線LANのサービスをやっている可能性が高い。ロビーならつながるのかなと思ったが,深夜だったので朝になってから試すことにしたのだ。

実際,ロビーで試してみたらあっさりhhornersにつながり,インターネットへ自在にアクセスできるようになった。初日に試してできなかったのは何か設定を間違えていたということのようだ。今だに何を間違えていたのかよくわからないが…。ともあれ,ロビー内なら問題なく無線LANでインターネットへアクセスできるのは確かなようだ。帰る日になってようやく問題が解決したというのも間抜けな話である。ロビーの一角でしばらくN-MIXにアクセスし,日本にいる友人たちとチャットすることができた。11時間の時差があるので日本は夜のようだ。それにしても地球の裏側からリアルタイムに話ができるというだけでもすごいのに,その通信費がゼロというのもまたすごい時代になったものだ。

いよいよチェックアウトだが,朝起きた時にはドアの下からホテルの明細書が投げ込まれていた。クレジットカードで支払うなら,室内の電話機に付いている「ZIP Checkout」ボタンか,インタラクティブテレビのメニューから「Checkout」を実行すれば,フロントに寄らずに出て行ってもOKという仕組みになっているようだ。とはいえ,ほんとにそれでいいのか不安だったし,どうせカードキーは返却する必要があるので普通にフロントでチェックアウトした。チェックイン時にクレジットカードを見せてサインもしているので,ここでもクレジットカードで払うかどうか再確認しただけでチェックアウトの手続きは完了した。明細書に何か書き足すのかと思っていたが,なにも書き足さずにそのまま返されて「OK」と言われたので,たしかにボタンでチェックアウトするのとあまりかわらないようだ。

09:30にY氏が迎えに来てくれ,予定通りリムジンでJFK空港に向かう。昨日見た「Mamma Mia!」の話から,お互いの音楽の趣味の話になった。彼はボンジョビ等のハードロックと日本の昔のフォーク系が好きなようだ。空港の入り口でお礼を言って分かれた。本当に最初から最後まで世話になりっぱなしだったな。今度いつ来れるかはわからないが,また来たいという思いを強くした。次は英語をもう少し勉強して,自費で観光旅行に来たいものだ。

搭乗手続をすませ,荷物を預けたら上の階にある軽食コーナーで軽く食事をとることにした。ラーメンを食べている人が多かったので少し迷ったが,結局無難なマクドナルドを選択した。アメリカのマックは久しぶりだったが,相変わらずコーラもポテトも異様に量が多く,とても食い切れなかった。ちなみにY氏の話ではNYはだいたいどんな料理も旨い店があるが,ラーメンだけはロクな店が無いそうだ。(笑)

その階で無線LANが使えないか試してみたが,何かそれらしいもの「linksys」を検出はしたものの結局IPがもらえず,使えなかった。仕方がないのでグズグズするのはやめて出国手続きに向かった。出国の検査はずいぶん厳重だった。まずバッグにPCが入っているか聞かれ,入っているなら出してバッグとは別にX線検査を通せと言われた。さらに靴を脱いで腰のベルトも外してX線検査に通さなくてはならなかった。無事X線検査をパスしたら,今度はPCを起動させて不審な点がないか確認していた。ここまで厳しい検査というのは初体験だ。もちろん私だけではなく全員が同じ検査を受けていたわけだが。

無事検査をパスしたので,免税店で会社への土産を買う。何にするか迷ったが,アメリカ産のものはロクなものがないので,結局GODIVAのビスケット詰め合わせになってしまった。(笑)

搭乗待合室に座って再度無線LANを試したが,今度はまったく何も検出しない。ネット接続はとりあえずこれで終わりのようだ。13:10頃になって搭乗開始となった。

再びテクノジャンボで日本へ

座席は通路側を希望したら,なんと最後尾の67Dという席だった。行きと同じテクノジャンボ(B747-400)なので,1階エコノミークラス席は3-4-3列構成なのだが,最後尾近くでは機体の幅が絞り込まれているので2-4-2列構成になっている。そして最後尾の67番席は両側がドアになっているため,真ん中の4列しかない。その左端の席だ。おまけに隣の67Eが空席で,左右ともにゆったりした環境になった。これはラッキーだな。トイレにも近いので安心してビールが飲めそうだ。(笑)

予定通り13:30に離陸した。到着は予定時刻(16:20)より1時間ほど早くなるそうだ。また気流が不安定な所が多く,よく揺れるだろうとアナウンスがあった。そんなことまで事前に分かるのか。

座席前の液晶モニタを切り替えると,機体下方の風景を映した空撮カメラ映像を見ることができる。15時頃には五大湖の上空を順に通りすぎて行った。どれも本当に広大な湖で,まるで海のようだ。海岸線ならぬ湖岸線の造形が非常に美しい。

15:20頃になって昼食が出た。メインディッシュは「海老ドリア」と「鶏照り焼き御飯」との2択だったので,ドリアを選択した。しかし実体はピラフに海老のクリームソースをかけたといった感じでドリアとは言い難いものだった。まあこれはこれで結構旨いものだが,JALの機内食ってこういうメニューとちょっと違うものを出す傾向があるのだろうか。(笑)

18時過ぎ,飛行機はカナダロッキー山脈の上にさしかかった。考えてみるとこの飛行機は太陽とほぼ同じスピードで西へ向かっている。つまり機体と太陽の相対関係はほとんど同じで,現在位置のタイムゾーンではだいたいいつも14時台ということになる。窓からはまぶしい光が常に差し込むわけで,仮眠をとれるようにということなのだろう,左右の窓のシャッターを全部下ろし,照明を落として機内を暗くした。

後部ドア横の席なので,左側のドア前に少し広いスペースがある。広々としていて良いのは確かだが,時々トイレ待ちの行列ができたり,座ってるのに飽きた人がここに立ってしばらく過ごしたり,中にはこのスペースでストレッチをはじめるオヤジもいたりして,結構せわしない。この席はこういうものなのだなあ。

最初にアナウンスされた通り,飛行機は時々激しく揺れるエリアに入る。ノートPCで本旅行記の元となった文章を書いたりもしていたが,揺れるエリアに入るとそれどころではなくなるので,結局あきらめて少し眠ることにした。

MP3プレーヤーで音楽を聴きながら4〜5時間ほど眠った。NY時間では23時,日本時間では12時だ。すでに日付変更線は越え,カムチャッカ半島の南東海上に来ているようだ。日付変更線を超えたところでいきなり日付は翌日に切り替わって6月21日になった。

日本時間の15:12に無事成田空港に着陸した。入国審査の入り口ではSARSを警戒して遠隔で体温測定をやっていた。ニュース等でもこの装置の実物の映像はなかなか見せてくれないので初めて見たのだが,望遠レンズのついた一眼レフカメラのような形をしていた。

入国審査はパスポートを見せただけだ。税関でも「課税物は何かありますか?」「ありません。」という会話だけでノーチェックだった。アメリカで靴やベルトまでチェックされたのに比べると,なんとも平和な話である。

45分ほどですべての手続きが完了したので,そのままJRの駅に向かった。帰りの時間は読めなかったので成田エクスプレスの予約はしていない。駅で時刻表示を見ると16:18発の新宿行きと,16:30発の大宮行き(ウイングエクスプレス)がある。大宮行きなら池袋にも止まるはずなのだが,何故かこの列車はグリーン車だけ満席の表示になっていた。たぶんグリーン車の設定が無いのだろうな。実は帰りはグリーン車にしてみようと考えていたので,新宿行きのグリーン車の乗車券を購入した。9Bという座席番号だったので嫌な予感がしたが,案の定相席だった。しかし混んでるというわけではなく,他に空いてる席は沢山ある状態。なんでわざわざ相席で発券するかなあ。(笑)

ともあれ,別の空いてる席に移動して快適なグリーン車での移動となった。窓際に腕時計を置いて,再度電波校正に挑戦してみた。今度は何も問題なくきちんと校正できた。というか,買ってから初めての成功だな。(笑) アメリカでも標準電波を拾うには拾っていたようだが,電波が弱くて校正できなかった。窓の方向が悪かったのか,そもそもニューヨークでは電波が弱くて元々ダメなのかはわからない。

新宿で大江戸線に乗りかえ,夕方18:30頃には無事に自宅に帰り着くことができた。3泊5日のハードな旅行がようやく終わった。

NYへ行ったのは初めてだったが,食事がどれも旨かったのには少し驚いた。もちろん現地に長年住んでる日本人に案内してもらったということもあるが,国際都市NYなので味オンチなアメリカ人ばかりではないということなんだな。次は仕事抜きにして遊びで行きたいものだ。


更新履歴

2003/06/22 6/17の分まで暫定公開
2003/06/29 初版

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