初版:2005/03/22
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アルファリゾート・トマム 2005/03/10〜13

 今年2回目のスキー旅行。今年こそは北海道に行きたいねということで,以前から興味を持っていたトマムにmyuuさんと二人で行ってきた。

 アルファリゾート・トマムはバブル期に開発された大型リゾート施設だ。ご多分に洩れずバブルの崩壊によって経営破綻し,紆余曲折の末に再建されて今日に至っている。トマムには全室スイートルームで超高層ツインタワーというバブルの象徴みたいなホテルがある。「ガレリア・タワースイートホテル」だ。通常,格安パック旅行でホテルのスイートルームに泊まることなどまずできない物だが,このホテルにはパック旅行が設定されている。料金も格安とは言えないがリーズナブルな物なので,是非ともここに泊まってみたいと考えた。

 トマムのツアープランは各旅行会社が数多く手がけていて,同じガレリアに泊まるプランでも実にいろいろな価格や特典の違いがある。パンフレットを集めて検討したが,よく分からないのでJTBの窓口で相談しようとした。しかしプランがあまりにも多すぎるため,JTBの人も細かい違いを調べてどれが良いといったアドバイスをするのはなかなか難しい,というのが実情のようだ。結局再度自分で比較表を作って調べ,今回はJTBサン&サンの3泊4日のプランが良いだろうという結論に達し,池袋のJTBで手配した。

 なお,スキーマップルのようなスキー場ガイドブックが無いかと探したが,どうも北海道版は各社ともここ数年出版していないようだ。「るるぶ冬の北海道'05」なども入手してみたが,トマムの扱いはわずか1ページで情報量は無いに等しかった。結局一番役に立ったのは個人のトマムファンの方が運営されているWebサイト「アルファ・リゾート・トマムで上手に遊ぶ為に」だ。情報量が豊富で素晴らしいので,トマムに行く人には必読のサイトだと思う。

参考Webサイト

■公式サイト(運営母体が2つに別れているため,それぞれの公式サイトと統合公式サイトがある。)
■必読の情報サイト
■その他

03/10 トマムへ bookmark

 昨夜は準備に手間取って4時間ほどしか寝られなかったが,なんとか早起きして羽田空港へ向かう。今回はJAL便なので第1ターミナルだ。第2ターミナルが出来た後の第1ターミナルには初めて来たが,ショップ等もずいぶん様変わりしていた。フードコートができていたのでここで安いソバを食べ,搭乗待合室へ。09:00発の飛行機はほぼ満席に近いようだ。

 今回,JALを選んだのには訳がある。クラスJというゆったりした席がオプションで選択できるからだ。これはANAで言うスーパーシートのような物だが,サービスを簡素化しているためエコノミーとの差額は1000円しか無い。パックツアーだと何故かこの差額は2000円にされてしまうのだが,それでも払う価値があると思う。ゆったりしたリクライニングシートは実に快適だ。ただレッグレストがあまり上がってくれないのが少し残念だった。飲み物は通常のコーヒー・お茶の類に加えてハーブティーが6種類選べるようになっている。また茶菓子としてル・パティシエ・タカギのミルティーユが出てきた。ル・パティシエ・タカギは世田谷にある有名な洋菓子店で,評判通りなかなか美味しかった。

 10:30頃に予定通り新千歳空港に到着した。JTBのカウンターで手配していたJRの切符を受け取る。11:48南千歳発のトマムサホロスキーエクスプレスだ。新千歳空港から南千歳駅までは電車で3分なので,まだ1時間近く余裕がある。初めてのことで余裕を見たスケジュールを組んだためだが,これなら1本後の飛行機でも良かったのかもしれない。空港に長居しても仕方がないと思ったので,南千歳駅まで予定より早く行くことにした。しかしこの選択は結果的には失敗だった。南千歳駅は本当に単なる乗換駅で,時間を潰せるような場所が何も無いのだ。これなら空港で待った方が良かったねと言いつつ,なんとか時間を潰して目的の列車に無事乗りかえることができた。

 トマムサホロスキーエクスプレスは札幌〜新得間を走る特急列車で,南千歳からトマムまでノンストップで走ってくれる。窓が大きく,内装はゆったりしていて心地よい。運転席が2階にあり,ちょうど小田急ロマンスカーのような構造をしている。指定席に座ると前方に子供連れが大勢来たので,後ろの空いている席へ移動した。すいているので席をボックスにして脚を伸ばすことができて快適だった。ただ,移動した後ろの方にも子供連れが居て,結局うるさくてロクに眠れなかったのだが…。

 空港で買った駅弁を食べ,13:01に予定通りトマム駅に到着した。無人駅なので切符は回収用の箱に投げ込むだけだ。しかし改札の脇には降りる人数をカウントしているおじさんが立っていた。どうもバスに乗った人数と照合するためらしい。細長いチューブ状の歩道橋を渡り,インフォメーションセンターの前に停まっている無料送迎用のバスに乗る。トマム名物の幅広バスも停まっていたが,残念ながらガレリア行きは普通のバスだった。おそらくガレリアまでの道が狭いためなのだろう。

クラスJのハーブティーとミルティーユ
クラスJのハーブティーとミルティーユ
空港で買った駅弁
空港で買った駅弁
トマム駅
トマム駅
トマム名物の幅広バス
トマム名物の幅広バス

 トマムには超高層ビルのホテルが4棟建っている。ツインタワーが2組で4棟という構成だ。中心部にあるのがザ・タワーと呼ばれる36階建の2棟で,こちらはほとんどの部屋が普通の広さで合計777室ある。格安パックツアーでよく使われるものだ。少し離れた斜面に建っている2棟が今回泊まるガレリア・タワースイートホテルで,こちらは32階建の合計200室だ。ビル自体はザ・タワーより少し低いのだが,建っている場所の標高が高いので最上階からはザ・タワーを見下ろす形になる。

 バスの窓からいろいろな建物を眺めながらガレリアに向かう。それにしてもこういう人里離れた山間部に超高層ビルが4棟も建っているというのは,なんとも異様な光景だ。宮崎のシーガイアにあるシェラトン・グランデ・オーシャンリゾートも周りに何も無い松林の中に忽然と45階建が建っているのだが,あれをも超える異世界である。まさにバブルの遺産そのものだ。しかし,考えてみるとこの所シーガイアやハウステンボスなどバブルの遺産と言われる場所ばかり廻っている気がする。(笑)

 数分でガレリアに到着し,チェックインする。フロントのお姉さんたちは何故か皆「見習研修中」の名札を付けていた。部屋はタワーIIの23階だ。パックツアーに付属しているさまざまなクーポンを受け取り,説明を受ける。標準で付属している朝食クーポンとVIZスパハウスフリーパスポートや,オプションで追加したリフト券などだ。意外なことにこれらとは別に夕食クーポンが6枚付いていた。本来付いていないはずの物だ。部屋についてから念のために旅行パンフレットを再確認した。確かにこのパックツアーの特典の一つにそういう物があるが,「ガレリア宿泊者は除く」とただし書きがあった。何かの手違いか方針の変更があったのだろうか。いずれにせよこれは嬉しい誤算だった。

 続いて宅急便で送っておいた荷物を受け取り,スキー板をロッカーにしまう。スキーロッカーはタワーIIの1階にあり,キレイだが細長くて狭い。スキーブーツを縦に並べて収納するようになっていて,全く余裕の無いものだった。荷物は部屋まで持ってきてくれるというので,スキー板の袋だけを持って部屋に上がった。エレベータは建物の中心部にあるため展望タイプではないが,比較的高速でストレスを感じなかった。

ガレリア・タワースイートホテル bookmark

 ガレリアは全室スイートルームのタワーホテルである。各フロアーには4つしか部屋が無く,すべて角部屋だ。2人用と4人用の2つのタイプの部屋があり,今回泊まったのは2人用の狭いタイプだが,それでも100m2近い広さがあった。東京の自宅よりはるかに広い。部屋はリビングと寝室に別れており,間に広いバスルームがある。バスルームにはジャグジーバスと,独立したシャワールーム,それから小型のサウナまで設置されていた。ジャグジーは直径170cmほどの大きな円形で,深さは50cmぐらいだ。American Standard社のロゴが入っており,シャワーや洗面台も同社製のもので統一されていた。ジャグジーには洗い場は無いので,体を洗うのはシャワールームでという使い方になるようだ。

 インテリアは統一感のある上品な物が使われており,当然ながらキレイにメンテナンスされていた。家具も絨毯も明らかに上質な物だ。バブル期に導入された物なので金のかけ方が違うということだろう。ソファーとテレビはリビングと寝室の両方にあり,寝室にしか無いものは机とベッド,リビングにしか無いものは冷蔵庫という配分だ。もっとも短期滞在の旅行者には広すぎるのも確かで,結局リビングは荷物置きになってしまい,ほとんどの時間は寝室で過ごすことになった。

バスの窓から見たガレリア
バスの窓から見たガレリア
ガレリアの部屋からの眺望
ガレリアの部屋からの眺望
(見えているのはザ・タワー)
寝室
寝室
ベッド
ベッド
寝室から見たバスルーム
寝室から見たバスルーム
ジャグジー
ジャグジー
リビング
リビング
リビングから見たバスルーム
リビングから見たバスルーム
洗面所(バスルーム内)
洗面所(バスルーム内)
小型サウナとシャワールーム
小型サウナとシャワールーム
湯を張ったジャグジー
湯を張ったジャグジー

 このように非常に満足感の高い,リッチな気分を味わえるホテルだ。ただし器がスイートルームでもサービスはそうではない。例えば食事のルームサービスも無いし,その他のスイートルームとしての贅沢なサービスも一切無い。要は単に広くて豪華なだけでサービス面ではごく普通のホテルの一室なのだ。もちろんその分安いのだから,これは十分納得できる。遠いバブルの時代には本来の意味でのスイートルームだったのだろうが…。

 それでも細かい点で不満に感じることが無いわけでもなかった。まずシャワーだが,American Standard社製のものでシャワーヘッドが壁に固定された造りになっている。しかもお湯の吹き出し口がシャワーヘッドの円周上にしか無く,体に効率よくお湯を当てることができない。髪を洗う時など特にイライラしてしまった。ハワイで泊まったシャラトン・ワイキキのシャワーもこんな感じだったので,アメリカ人はこれでも不満は感じないのだろうか?

 ベッドについては,寝心地は全く問題ない優れたものだったが,残念なことにシングルサイズだった。普通,スイートルームでなくても高級ホテルならだいたいセミダブルベッドをシングルの代わりに置いているものだが,ここはスイートなのにシングルサイズなのだ。なまじ部屋が広大なだけにちょっと寂しく感じてしまった。もちろん実用上は全く問題ないので些細なことではある。

 室内は乾燥しているのでジャグジーに常時お湯を張っておくことにした。窓からはゲレンデやザ・タワー等の風景が一望できる。眺望の良い部屋を割り当てられたようだ。雪が降り続いてゲレンデのコンディションはあまり良くない。移動で疲れてしまったので滑りに行く元気が沸かず,結局今日はそのまま部屋でのんびり過ごすことにした。スイートルームの居心地が良すぎるという理由もある。冷蔵庫には何も入っていなかったので,1階の売店で飲物などを買って来た。キリンのガラナロイズのチョコレートドリンク,ハスカップのジュースなど北海道特産のものもいろいろあった。

海鮮市場 bookmark

 ガレリアはトマムの端っこにあり,他の施設への移動は原則シャトルバスになる。歩いて行けない距離では無いのだが,道が狭くて凍結している上にバスが通るので,歩くのはかなり危険な感じだ。シャトルバスは無料で20分おきに出ているので,上手く時間を合わせて行動すれば特に不便は感じない。

 今日の夕食は海鮮市場に行くことに決めていたし,フォーレスタモールなども見てみたいので少し早めに15:10発のバスで出かけた。ヴィレッジアルファで降り,海鮮市場の入り口を確認してからフォーレスタモールへ向かった。スカイウォークというガラスの壁と屋根で覆われた歩道橋があり,ヴィレッジアルファからフォーレスタモールやザ・タワーまでは安全に歩いて行ける。ただし暖房はされていないので結構寒い。フォーレスタモールはレストラン群とショッピングモールという話だったが,実際にはお店の方は小さな売店がいくつかあるだけだった。レストラン群は夕方からの営業なので,この時間は全体的に閑散としているだけという印象である。あまり時間を潰せそうに無いのでそのままスカイウォークでビレッジアルファに戻った。

 海鮮市場は混雑して待ち時間が長くなることが多いと聞いていたので,開店前から並んでおこうと少し早い時間に来たのだが,実際には誰も並んでいなかった。平日はこんなものなのだろうか。肩すかし感があるが,仕方がないのでそのまま開店を待つ。開店10分前には店の人が出てきて,中で待ってていいですよと言われた。中の待合室には「国士無双」という地酒の樽がいくつも並べてあった。

 17時になってようやく開店だ。窓際の席に案内され,飲み物の注文を取られた。バイキング方式なので,歩いていろいろな食べ物を取りに行く。まずホタテを貝殻に乗せて焼いたものがあったので,これを貰った。その隣では美味しそうなイカが網で焼かれていたので取ろうとしたら,まだ焼けていないので待ってくれと言われた。

 カニのコーナーには,茹でたズワイガニ・タラバガニ・毛ガニが並べてあった。しかしどれも冷めたもののようだ。横の特設コーナーで温かい蒸しカニが配られていたので,こちらを貰った。ズワイガニの脚2本とタラバガニの脚1本がワンセットのようだ。他に寿司と刺身と野菜を取ってから,席に戻った。焼きホタテは非常に美味しいが,あちこち廻っているうちに冷めてしまっていた。こういうものは貰ったらすぐに席に戻らないといけないようだ。カニは根室から直送している冷凍物だ。冷凍物にしてはかなり美味しいのだが,もっと旨いものを食い慣れた身にはどうしてもイマイチに感じてしまう。贅沢な話だよな。(笑) 刺身は甘エビ・鮭・ホタテの3点セットだけだった。「海鮮市場」と名乗るぐらいだからもっといろいろな刺身が食えるのかと思っていたので,とても残念だ。野菜はアスパラ,白アスパラ,プチトマトがかなり美味しかった。ちょっと意外である。

 2ラウンド目でさっき貰いそこねたイカやホッケ,ニシンなどの焼き魚を持ち帰る。イカは焼いた後に並べている間に冷めていて残念。ホタテは焼きたてのものをくれたのになんでイカはダメなんだろう。ホッケやニシンは切り身の状態で焼かれていた。丸ごと1匹貰っても他の物が食えなくなるからこれはこれで正しいやり方だと思う。ホッケは非常に美味しい。ニシンももちろん良いものだが,元々ホッケほど美味しい魚ではないよな。他には,追加の野菜やカレーライスを貰って席に戻る。「海鮮市場でカレーなんか食うなよ」と某巨大掲示板には書かれていたのだが,食べてみると意外に美味しかった。(笑)

 デザートは果物と小さいケーキ類。果物はオレンジやグレープフルーツなどで,特に地元の特産品は無かったのでパスした。ケーキは夕張メロンを使ったものとハスカップのババロアを食べたらそれなりに美味しかった。

 満腹になったので店を出る。夕食クーポンが使えるので飲み物代だけを現金で払った。全体的に悪くは無いんだがとりたてて光る物も無い。話のタネに一度は食べに来るべきだが,二度目は無いかなという結論に達した。もちろん経済的な余裕の少ない若年層にはリーズナブルですごく良い店だと思う。

 18時頃にはシャトルバスに乗ってガレリアに戻った。すっかり暗くなり,ゲレンデのナイター照明が幻想的だった。部屋に戻ってジャグジーに持参した泡の出るタイプの入浴剤を入れてみる。泡があふれてすごい事になった。(笑) 入浴剤の適量がつかめないので多く入れすぎてしまったらしい。少しお湯を抜いてからお湯を足して薄めるなどして,楽しく入浴した。部屋に広いジャグジーバスがあるというのは本当に贅沢だ。

 明日と明後日の夕食を予約し,サウナも使ったりしていろいろと遊んだ後,21時すぎに就寝した。さすがに疲れていたのでぐっすり眠れた。

海鮮市場
海鮮市場
ガレリアの部屋から見た夜景
ガレリアの部屋から見た夜景
すごい事になった
すごい事になった

03/11 スキーとやま里 bookmark

 早寝したためか,06:30頃に目が覚めた。窓の外は吹雪状態だ。部屋は暖かくて快適だが,窓の結露もすごい。窓は断熱ガラスが使われているようだが,窓枠はアルミなので結露が凍っている部分があった。顔を洗って07時から朝食に行く。朝食クーポンはトマム内の複数のレストランで使えるのだが,ガレリアで朝食を出しているレストランは高級フレンチのルミエールだけだ。ルミエールはトマムで最高グレードの店なので,あえてバスに乗ってまで余所に行く理由は無かった。

 ルミエールはタワーIの31階にある。つまり僕らが泊まっているタワーIIとは別のビルになるので,1階まで降りてタワーIまで移動し,31階まで上がらなくてはならない。しかしエレベータは速いし,1階で外の雪景色を眺めながら移動するのも楽しいので特にストレスは感じない。ルミエールに入店し,朝食クーポンを渡す。窓際のコーナー部分にある二人席に案内された。31階からの眺めは抜群で,正面にザ・タワーやトマムの各施設が一望できた。

 朝食は次の3種類のセットからの選択になっていた。

ルミエール 朝食セットメニュー (2,100円税込)

■Aセット
*旭山農志塾卵のエッグディッシュプレートに十勝ビーンズのトマト煮を添えて
 ロースハム、ベーコン、ソーセージを日替わりで
*トースト又は、デニッシュ盛り合わせ

■Bセット
*たっぷり冬野菜の「食べる」スープ 北海道鶏のジューシーボールと共に
 EX・V・Oの風味を楽しみながら
*トースト又は、デニッシュ盛り合わせ

■Cセット
*興部産、クリーミーモッツァレラを乗せたピザトースト ルミエールスタイルで
 ふらの産メークインのフライと共に
*本日の温かいスープ

■A・B・C共通
*オリジナル・ジュース各種(ふらの産ぶどう果汁、トマトジュース又は余市産りんご果汁)
*フレッシュモーニングサラダ、5種類の葉菜にて
*ナチュラル・ヨーグルト キウイフルーツのピュレ添え
*珈琲・紅茶又は、北海道牛乳
 Aセットは日替わりでいろんなパターンがあるようだ。今日はカニを入れたスクランブルエッグにホワイトソーセージだった。Bセットのジューシーボールというのは要するに「つくね」だ。英語表記の方には“Tsukune”と書かれていた。「EX・V・O」というのも最初意味が分からなかったのだが,英語表記を見ると“Extra Virgin Olive oil”と書かれていた。こういう表記が一般的なのかね?

 myuuさんはBセット,僕はAセットを注文した。本格的なコースという感じではなく,最初に全部持ってきて終わりという仕組みだ。カトラリーもテーブル上のバスケットにまとめて置いてある物を勝手に取って使えという方式だ。まあスキー宿だし朝食まで高級店レベルのサービスは必要ないということなのだろう。こっちもカジュアルな格好で行ってるわけで,特に不満は無い。

 料理はどちらのセットもなかなか美味しかった。また,テーブル上に地元特産のハスカップとグスベリーのジャムが置いてあり,これをヨーグルトに入れて食べると実に旨い。グスベリーのジャムは初めて食べたが,酸味の強い味も食感もなかなか心地よくて気に入った。後で調べるとグスベリー(グーズベリーとも言う)はスグリの事で,日本では北海道と岩手県でだけ栽培されているらしい。

窓枠部分の結露が凍ったもの
窓枠部分の結露が凍ったもの
(室内は十分暖かい)
室温調整ダイヤル
室温調整ダイヤル
なんかじゅるい匂いが…(笑)
朝食のサラダ等
朝食のサラダ等(奥の2つの容器がジャム)
デニッシュ盛り合わせ
デニッシュ盛り合わせ
Aセットのメインディッシュ
Aセットのメインディッシュ
Bセットのメインディッシュ
Bセットのメインディッシュ

スキー場へ bookmark

 食事を済ませて部屋に戻ったが,まだ雪は降り続いていて視界も悪い。しかしmyuuさんがスキーのプライベートレッスンを申し込んでいたこともあり,とにかく滑りに行くことにした。着替えてエレベータを降り,1階のスキーロッカーでブーツに履き替え,板を持ってシャトルバスに乗る。プライベートレッスンは10:30開始だが,10:00までにリゾートセンターに来るよう指示されていたので09:30発のバスでリゾートセンターに向かった。

 リゾートセンターはトマムスキー場の中核となる施設で,ゴンドラの出発駅にもなっている。プライベートレッスンの受け付けを済ませ,椅子に座って開始を待った。実際,これなら10時過ぎにゆっくり来ても余裕で間に合ったな。まあ仕方ないのだが。ようやく10:30になり,レッスンが始まるようなので僕はmyuuさんと別れてゴンドラに乗った。レッスンは12:30までなのでその間,僕は一人で滑ることになる。ゴンドラ(アルファキャビンという名前が付いている)は4人乗りでトマム山の山頂近くまで一気に上がることができる。山頂付近の気温は−7℃ぐらいで,思ったほど寒く無かった。初級のシルバーベルコースで山を下る。吹きさらしの尾根コースなのでやたら寒く,あわててフェイスマスクを取り出し装着した。シルバーベルの途中にあるレストハウス「コンコ」の様子を見に行こうと思っていたのだが,間違えてシルキーウェイコースの下部に降りてしまった。仕方がないのでリフト7で上がってやりなおそうとしたのだが,ここでもまた間違えてシルキーウェイ上部に入ってしまう。シルキーウェイは難易度は中級なのだが,コブ斜面に雪が降り積もって穴を埋めた状態で非常に滑りにくかった。

 魔のシルキーウェイをなんとか脱出し,コンコへ向かう。コンコの手前10mほどは緩い登りになっているのが面倒だった。コンコから下は緩斜面になっている。リゾートセンターに向かって降り,リフト3を往復してmyuuさんの姿を探した。初級者向きのレッスンならこのリフト3脇の初級コースでやっているだろうと思ったからだ。しかし何故か姿が無い。そこでラバーズレーンやラビットレーンも見に行ったが,やはり姿は無く,結局見つけきれなかった。後で聞いたところ,なんと僕の直後にゴンドラで上がり,シルバーベルとアスペンバーンでレッスンをやっていたのだそうだ。アスペンバーンは中級コースなので全く考えていなかった。

 早朝に圧雪した後に10cmほど雪が積もっている各ゲレンデを廻って,12:30の少し前にリゾートセンターに戻るとmyuuさんがすでに待っていた。二人でゴンドラに乗って上がり,シルバーベルを降りてコンコに入った。相席になったがなんとか座れたので,シチューセットを食べる。

コンコ シチューセット (1,575円税込)

*ビーフシチュー,ミルクシチュー,ウサギのシチューのどれか
*チキン唐揚げ
*パン
*レアチーズケーキ,またはチョコレートケーキ
*ソフトドリンク(コーヒー,紅茶,ジュース類など)
 僕はビーフシチュー,myuuさんはミルクシチューを選択した。どちらもなかなか美味しい。ミルクシチューにはホタテフライが入っていた。また,セットに付いてくる唐揚げもスパイシーで美味しい。ケーキもまずまずで,全体的にとても良い評価ができる。ただ,ボリュームが多すぎる気がした。シチュー等の単品注文も可能なので,セットにはせずに量を減らした方が良かったかもしれない。

ビーフシチューセット
ビーフシチューセット(食べかけ)
ミルクシチューセット
ミルクシチューセット
コンコ前のmyuuさん
コンコ前のmyuuさん

 myuuさんはレッスン中にコースを横切るエゾクロテンを見たそうだ。滅多に見られない動物なので非常に幸運だと思う。食後はリフト6を上がって中級のアスペンバーンを降りた。myuuさんがレッスンを受けていた斜面だ。シュテムターンでなんとか降りて来れるようになっているから,やはりプライベートレッスンの効果は絶大である。とは言え,体力が少ないのはいかんともしがたいようだ。相変わらず雪も降り続いているし,結局そのままリフト9を上がって連絡コースでガレリアまで帰ることにした。連絡コースは途中に少し急な部分はあるが,なんとか無事に帰り着いた。

 ジャグジーに湯を張り,入浴剤を入れて入浴した。疲れた体にジャグジーの水流が心地よい。部屋にジャグジーがあるというのは本当に贅沢な気分が味わえる。

やま里 bookmark

 夕食は高級和食店「やま里」の天ぷらコースを予約しておいた。18時開始なので17:50発のシャトルバスに乗ってホテルアルファ・トマムへ向かった。ホテルアルファ・トマムはトマムで最初に建てられたホテルだ。規模は小さいが,いまだにトマムで単に「ホテル」と言うとここを指すことになっている。「やま里」はこのホテルの5階にある。まだ時間が早いせいか,客の姿はまばらだ。

 上着を預け,天ぷらコースのカウンターに着席する。カウンター内部には大きな天ぷら鍋があり,目の前で揚げたアツアツの天ぷらを食べさせてくれる仕組みだ。カウンターは6席しか無いが,箸が並べてあったのはそのうち4席だけだった。左端の2席に座り,まず飲物を注文する。暖かいのでセーターを脱いだら,セーターから花粉が出てきたらしく,myuuさんが咳をしだした。北海道は花粉が無いと聞いていたが,実際には時々花粉を感じることがあった。それはどうも我々の衣類に付着していた花粉が何かのはずみで出て来ているらしい。特にセーターやショールと行った毛織物系がひどいようだ。気がつくのが遅くて間抜けな話だが,後で宿に戻ったら,各衣類から花粉を落とす作業をすることにした。

 脱いだセーターはとりあえず空いている隣の鉄板焼きカウンターの席に置かせてもらった。天ぷらと鉄板焼きのどちらにするか迷った末に天ぷらを選択したのだが,鉄板焼きは今日は客が居ないらしい。

 天ぷらは2種類のコースがあったが,どうせならということで高い葵コースを注文した。実は天ぷらコースは夕食クーポンの適用対象では無いのだが,予約の際に聞いてみたら差額を払えばクーポンが使えるということだ。したがって実際に払った額はずっと安い。後で確認するとクーポンは税込で3,650円と評価されていたようだ。

 天ぷらを揚げる料理人はSさん。年季の入った実直な職人という印象の方だ。天ぷらについていろいろと質問をしても丁寧に答えていただき,なかなか楽しいひとときを過ごすことができた。

やま里 天ぷらコース「葵」 (8,400円税込)

*前菜(松前漬,姫たけの子のもろみのせ,カニ身の梅肉和え)
*特選刺身盛りあわせ(大ボタン海老,鮭,帆立貝柱,イカ,カンパチ)
*天婦羅各種
 車海老の頭×2,車海老×2,菜の花,茄子,メソコ(若い穴子),
 平目しそ巻き,薩摩芋,プチ玉葱,帆立貝柱,舞茸,
 レンコン,南京(カボチャ),蟹爪,姫たけの子,北寄とコーンのかき揚げ
*梅茶漬け,香の物
*季節の果物(キウイフルーツ,イチゴ,リンゴ)
 まず刺身のボタン海老で驚かされた。東京ではなかなか食べられない大きくて新鮮なもので,もちろん味も極上だった。昨日の海鮮市場が刺身に関しては期待外れだったので,myuuさんもとても嬉しそうだ。そして,その後の天ぷらは圧巻だった。目の前で揚げて出してくれるアツアツの天ぷらはとても美味しい。サクサクした衣の食感も素晴らしかった。素材も北海道ならではの質の高いものだ。幸せな気分でデザートの果物を食べながら,また来たいという思いを強くしていた。

天ぷらコースのカウンター
天ぷらコースのカウンター
前菜
前菜
特選刺身盛りあわせ
特選刺身盛りあわせ
車海老の頭
車海老の頭
茄子
茄子
蟹爪と姫たけの子
蟹爪と姫たけの子
北寄とコーンのかき揚げ
北寄とコーンのかき揚げ
梅茶漬け,香の物
梅茶漬け,香の物

 外は雪が降り続いているので,食後は寄り道せずにシャトルバスでガレリアに戻った。myuuさんがマッサージを予約していたので,少し片づけて待つ。08:40頃に現れたのは若い男性の先生だった。30kmほど離れた占冠の人だそうだ。いろいろと雑談をしながらマッサージして貰った。僕はその間,ノートPCで今日までの旅行のメモを作ったりしていた。

 マッサージの後は風呂に入ったりしてゆっくりくつろぎながらテレビを見る。ニュース番組ではニッポン放送の新株予約権に関する訴訟で,ライブドアの差し止め仮処分請求が通ったというニュースが流れていた。その後チャンネルを操作していたら,NHK教育テレビで「基礎関西語」という番組をやっているのを偶然見つけた。どうも関西弁を外国語の一種として扱うまじめな語学番組らしい。面白くて大笑いした。

03/12 VIZスパハウスとルミエール bookmark

 07:30頃に目が覚めた。窓の外は相変わらず吹雪状態だ。三日目だがずっと天気が悪いのは残念。とりあえず顔を洗ってルミエールへ朝食に行く。昨日と同じ席に案内された。今日は僕はCセットを,myuuさんは昨日と同じBセットを食べた。myuuさんがBセットにこだわるのは暖かいスープが飲みたいからだが,ソーセージにも未練があるらしい。結局セットとは別にホワイトソーセージをサイドディッシュとして注文した。このホワイトソーセージはホテルの自家製だそうで,非常に美味しかった。

Cセットのピザトースト
Cセットのピザトースト
Cセットのスープ
Cセットのスープ(カボチャのポタージュ)
ホワイトソーセージ
ホワイトソーセージ

 ゆっくり食事をしながら,今日はどうしようかねと話していると,次第に雪がやんできた。滑りに行くことに決め,部屋に戻って準備してから10:10のシャトルバスでリゾートセンターへ向かった。

 僕は普段ショートスキー(SALOMON SnowBlade)を愛用しているのだが,今回は新雪が多くてショートスキーでは苦しい状況が続いているので,久々に長い板を履いてみることにした。レンタルでカービングの短い板(146cm)を借り,ゴンドラで上がった。ゴンドラでは地元のボーダー青年と相席になり,いろいろと話をした。3月でこんなに天気が悪いのは珍しいそうだ。天気に関しては本当にツイていない。

 ゴンドラ駅を下りると,昨日より気温がずいぶん上がっていてあまり寒くない。フェイスマスクは結局外してしまった。シルバーベルを下りてコンコに入る。まだ昼食には早いのだが,myuuさんが疲れているので休憩を入れるためだ。コーラを1杯飲み,しばらく休んでからコンコを後にした。リフト6を上がってアスペンバーンを滑ったりしてから,昼頃にリゾートセンターへ戻る。リゾートセンター内のラーメンコーナーで味噌ラーメンを食べた。北海道ならではの食べ物だが,残念ながらそれほど美味しくは無かった。

 昼過ぎからまた雪が降り出し,myuuさんは早めに連絡コースからホテルに引き上げることにした。僕は多少滑り足りないので,myuuさんと別れてあちこち滑ってから帰ることにした。まずレンタルの板を返却し,ショートスキーに履き替えてリフト10に乗った。ゲレンデマップでは分かりづらいが,このリフト10の上からラバーズレーンBに向かう連絡コースがあるはずなので,その様子を確認しておこうと思ったからだ。連絡コースは確かにあるが,狭くて雪面の状態も良くないし,しかも途中から結局中級のムーンシャインコースに合流するため,初心者には多少厳しいルートのようだ。

 その後はリフト4を上り,一番端の上級グランプリコースを使ってガレリアに戻ることにした。リフト4はガレリアの窓からよく見える。携帯電話でmyuuさんに連絡した所,窓から僕の姿を確認できたそうだ。こちらからはガレリアの窓の中はよく見えなかった。グランプリコースは上級の急斜面だが斜度はそれほどでもなかった。ただショートスキーでは新雪に膝近くまで潜った状態で滑ることになり,非常に滑りにくかった。

VIZスパハウス bookmark

 部屋で少し休んだ後,VIZスパハウスへ行くことにした。巨大な温水プール施設で,造波機能のあるウェイブプールや,ジェットスパ,サウナなどがある。パックツアーに入場用のパスポートクーポンが付いているので,一度は行かなければと思っていた所だ。

ウェイブプール
ウェイブプール

 水着を準備して,15:10発のシャトルバスでVIZスパハウスへ向かった。VIZスパハウスはガレリアとは反対側の端の方にあるため,シャトルバスに15分ほど乗る必要がある。フロントでクーポンをパスポートに交換してもらい,バスローブとタオルのセットを840円で借りた。更衣室で水着に着替えて巨大なウェイブプールへ向かった。ウェイブプールはタイル貼りで,手前から奥に向かってなだらかに深くなっている。手前は波打ち際を模した造り(砂浜ではなくタイル貼りだが)になっていて美しいデザインだ。造波機能を使って時々波を起こしている。

 プールにはすぐには入らず,まずミストサウナへ向かう。ガレリアの部屋にも小型のサウナはあるが,やはりミストサウナは気持ちよさが違う。しばらく入っては外の木製チェアで休んだりした。それから僕はお目当てのアウトドアロゴプールへ向かった。ここではなんとこの真冬でも屋外の温水プールで泳ぐことができるのだ。プールまでの経路は短いが氷点下の屋外なので非常に寒い。しかも下の舗装が小石の飛び出たタイルで足の裏が痛くなる。このあたりはなんとか改善して欲しいところだ。ともかく寒い中を屋外プールに飛び込むように入る。一転,とても暖かい温水に体が包まれた。プールはかなり深い。首だけ出して歩けば寒くはないが,頭には雪が降り積もる。なんとも不思議な体験である。

 屋外プールには最初僕だけしか居なかった。さすがにこの雪の降る中,ここまで来る酔狂な奴はあまり居ないのかなと思ったが,ほどなくして家族連れなど数人が入ってきた。やっぱりトマムに来たからには,話のネタとしても一度はこれに入るべきだという思いは同じなのだろう。

 僕は一度屋外プールから上がり,myuuさんを呼んできて再度二人で入った。風が少し出てきたためか湯気が多く,眺めはあまり良くない。ビーチボールで遊んでいた家族連れがボールをプールの外に投げてしまい,お父さんが濡れた水着姿で雪の中へ拾いに行っていた。お父さんは本当に大変だ。(笑)

 屋外プールを上がり,ミストサウナで暖を取ってからウェイブプールの方へ戻った。奥の方にカフェテリアがあるのでそこで一休みすることにする。お金を持ってきていなかったので更衣室に一度取りに戻った。財布を丸ごと持ってきても置き場に困るだろうということで小銭だけバスローブのポケットに入れて持ってきたのだが,カフェテリアの脇にもダイヤル式の貴重品ボックスが設置されていたので,実際は財布丸ごと持ってきても問題なかったようだ。メロンソーダと夕張メロンソフトクリームを買って食べる。こうしてみるとメロンソーダってメロンとは全然違うものだなと再認識させられる。まあこのジャンキーな味が二人とも大好きなのだが。(笑)

 その後はウェイブプールの北側にあるジェットスパコテージへ向かった。これはさまざまなジャグジーの集合体で,順にいろいろなジャグジーを楽しみながら廻って行けるものだ。予想外に楽しいものだった。このあたりは実際に行ってみないと分からないものだ。再びミストサウナに入った後,更衣室で着替えて帰ることにした。結局メインのウェイブプールでは泳いでいない。少し残念なので帰り際にウェイブプールの中心部まで入ってみたが,水がとてもキレイなのが印象的だった。

 17:27発のバスでガレリアに戻った。今日の夕食は18:00からルミエールを予約している。慌ただしく着替えてルミエールに向かった。

ルミエール bookmark

 ルミエールは本格的な高級フレンチレストランで,トマムのレストラン群の中でも最高ランクの店だ。以前は男性はジャケット着用というドレスコードがあったようだが,スキー場でそれは無茶だろうということからか,現在はドレスコードは廃止されている。実は今日は僕の誕生日でもある。こういう高級レストランは誕生日その他の特別な日だと告げておくと,デザートなどでワンポイントのサービスを追加してくれることが多い。しかし予約の時に言っておかなかったので,さすがに当日いきなりでは無理なようだった。まあ仕方がないよな。

 入店すると,今朝までの朝食と同じ席に案内された。僕らの指定席かここは。(笑)
もちろん眺めの良い最高の席の一つである。時間が早いためか他の客はまだ居なかった。

ルミエールから春の贈り物 (10,500円税込)

*アミューズ(鹿肉のタタキ)
*アカシア蜂蜜で締めた針魚(サヨリ) 菜の花とフルーツトマトを付け合わせて
*茸のスープにフレッシュフォワ・グラと新玉葱のコンフィを浮かべて
*殻付きオマール海老のポシェ 春を待つ野菜と共に黒トリュフの香りを纏わせて
*お口直し 桂花陳酒のグラニテ
*池田産牛フィレ肉のストロガノフ ラ・ルミエールスタイルで 黒米のガレットに乗せて
*北海道とヨーロッパの完熟フロマージュ
*綺麗に着飾ったホワイトチョコムース ヨーグルトソルベを添えて
*小菓子(フィナンシェ,マドレーヌ)
*焼き立てパン(フランスパン,ブドウ酵母パン)
*コーヒー,紅茶

+2003 William Fevre Chablis(ハーフボトル)
 myuuさんがアルコールは全くダメなので,いつもはグラスワインを注文することが多いのだが,この店ではグラスワインのサービスは無いようだ。仕方がないのでシャブリのハーフボトルにした。そんなに高く無いし結果的にはこれで正解だった気がする。

 アミューズからデセールまでどの料理も素晴らしく美味しかった。払った値段分の価値は十分にあると思う。しかし「これは凄い!」という感動を味合わせてくれる料理は残念ながら無かった。フレンチに関してはハウステンボスのデ・アドミラルが僕らの評価基準になってしまっているので,これは仕方がない所だろう。

 印象的だったのは茸のスープだ。すごく濃厚でコクがあり,美味しかった。フレッシュフォワグラにかけて食べるのだが,フォワグラが少し負けている印象だった。もちろんフォワグラも良い物が使われているのだが,もう一工夫欲しい感じだ。

 デセールの皿では,僕の方だけハート型のマジパンが乗っていた。チョコレートで「Happy Birthday to You」と書かれている。直前に言ったので簡単な物しかできなかったということだが,それでも対応してくれるのはとても嬉しい。こういう気配りは高級レストランならではのものである。

 なお,照明が暗かったが,他の客が居ないので特別に許可をもらいストロボを使って撮影した。マナー違反だが快く許してくれた。暗がりでも撮影できるコンパクトカメラが早く欲しい所だ。

アミューズ(鹿肉のタタキ)
アミューズ(鹿肉のタタキ)
アカシア蜂蜜で締めた針魚(サヨリ) 菜の花とフルーツトマトを付け合わせて
前菜
茸のスープにフレッシュフォワ・グラと新玉葱のコンフィを浮かべて
茸のスープとフレッシュフォワグラ
殻付きオマール海老のポシェ 春を待つ野菜と共に黒トリュフの香りを纏わせて
殻付きオマール海老のポシェ
池田産牛フィレ肉のストロガノフ ラ・ルミエールスタイルで 黒米のガレットに乗せて
牛フィレ肉のストロガノフ
綺麗に着飾ったホワイトチョコムース ヨーグルトソルベを添えて
デセールと小菓子

 食後は部屋で明日の予定を検討した。明日はいよいよ最終日だ。チェックアウトは11時だが,もちろんその後もスキーをすることはできるようになっている。しかし疲労がかなり蓄積しているし,天候も一向に回復しないので,明日は早めに引き上げて札幌に行きたいとmyuuさんが言い始めた。僕は札幌行きは想定していなかったのであまり気乗りしなかったが,とりあえず明日の天気を見てからということにして就寝した。

03/13 最終日は札幌へ bookmark

 06:30頃に目が覚めた。窓の外を見ると,山頂付近はかすんでいるものの,雪は降っていない。顔を洗ってルミエールへ朝食に行く。今日はいつもの席より一つ手前のコーナー席に案内された。僕はAセットとCセットを昨日までに食べていたので,今日はBセットを食べることにした。myuuさんは3日連続でBセットだ。昨日と同様にホワイトソーセージをサイドディッシュとして注文した。とても美味しいので買って帰れないものかと尋ねたが,ホテルの自家製で外販はしていないそうだ。残念。

 晴れていたのでやはりスキーをするかなと考えていたところ,食事が終わる頃になって雪が降り始めた。今日もあまり変わらない天気になるようだ。結局早めに引き上げて札幌に行くことに決めた。10:00にトマム駅を出る特急「スーパーおおぞら2号」に乗ることに決める。迎えのバスは09:30に来るようだ。荷造りして荷物を宅急便で発送し,チェックアウトの手続きを済ませた。

 到着した時の迎えのバスはガレリアに直行したのだが,送り出す時のバスは各宿泊施設を巡回していくようで,ヴィレッジアルファ,ザ・タワー,ホテルアルファ・トマムを経由して駅まで向かった。直行なら数分で行けるはずなのに30分前にガレリアを出るのはずいぶん早いなと思ったが,そういう理由だったようだ。駅のインフォメーションセンターで電車の到着を待つ。一応みどりの窓口があり,ここで切符を買うこともできるようだ。地下にはコインロッカーと簡易更衣室があった。日帰りで来る人はここを使うのだろうか。

 時刻表通りにやってきた特急に乗り,自由席に座る。かなり混んでいたので,別れて相席で座った。30分ほどしてから車掌さんが検札に来たため,差額を払って札幌までに変更してもらう。その後しばらくすると何故か空席ができたのでそこに移動した。特に駅に停まったわけでもないのに空席ができたのは不思議だが,どうも検札が終わったということで元々座っていた人がガラガラに空いている指定席車両に移動したらしい。

 線路際に居たエゾシカなどを眺めながら札幌に向かう。定刻より5分遅れて11:36に列車は札幌駅に到着した。まずはお昼ごはんということでガイドブックで見つけていたに向かう。ところが店の前まで来ると,なんと日曜日は営業していないとの表示があった。実は見落としていたのだが,ガイドブックにも土日は休業とはっきり書いてあった。二人とも疲れていたとは言え,まったく初歩的なミスである。

 ともあれ,アテが外れたのでとりあえず近くにあるホテルニューオータニ札幌に避難した。ロビーの椅子に座り,ガイドブックを再度検討する。しかし良さそうな店はたいてい夕方からの営業になってしまうようだ。結局,ホテルの人にこの近くで刺身が食べられる店が無いか教えてもらう。泊まり客でも無いのに図々しい話だが,親切丁寧に近くの寿司屋を教えてくれた。さすが一流ホテルだ。

七福鮨 bookmark

 教えてもらった店は「七福鮨」という寿司屋だ。時間が早いせいか他の客は居なかった。メニューを見ると値段は高めで,高級店らしい。定食や丼などのセット物もあったが,刺身が食いたいということで単品で注文することにした。

*極上刺身盛り合わせ(帆立,大ボタン海老,大トロ,サーモン,カンパチ,
 鯛,アワビ,アワビの肝,北寄貝)
*落葉汁
*寿司(ヤリイカ,帆立,大ボタン海老),海老の頭の塩辛
*タラバガニ刺身
*焼きタラバガニ
 刺身はさすがにどれも新鮮で美味しい。ボタン海老は素晴らしいし,帆立もほのかな甘味が感じられる極上の物だった。落葉汁は,最初ナメコ汁を注文したところナメコが無いので落葉になると言われ出てきたものだ。落葉というのはその時は何だか分からなかったが,後で調べると落葉キノコ(ハナイグチ)のことで,北海道では一般的な食材らしい。初めて食べたのだがナメコに似たぬめりがあり,シイタケ並の大きさがある。ナメコや他のキノコとも違う独特の深い味と香りがあって美味しかった。

 寿司は刺身に無かったイカと,刺身で特に美味しかった帆立,ボタン海老を注文。オマケとして海老の頭の中身を使った塩辛をつけてくれた。柚子が効いてまったく臭みの無い美味しいものだった。タラバガニの刺身は,何故か茹でたものが出てきた。意思の疎通に問題があったのだろうか。これはこれで美味しいから良いのだが。(笑)

 そして圧巻だったのは最後に出てきた焼きタラバガニだ。脚数本と,大きなハサミを半分に割ったものが出てきた。このハサミがやたらとデカい。長さが15cmぐらいあり,myuuさんの拳とあまり変わらない大きさである。元のカニ本体は見せて貰っていないが,これは5kgを超える特大クラスではないだろうか。もちろん味も最高だった。過去に僕らが食べたあらゆるカニと比べても一番旨かったと思う。タラバは大きい物を焼いて食うのが一番旨いというが,まさにこれのことかと納得した。

 札幌市内でもこのあたりはオフィス街らしく,日曜の客は少ないようだ。そういう日曜の昼に沢山食い散らかして行ったためか,かなりサービスしてくれた気がする。そもそも大きいハサミはタラバガニ1匹から1つしか取れない貴重な物だ。もちろんそれなりに高い金額を払っているのだけどね。

極上刺身盛り合わせ
極上刺身盛り合わせ
落葉汁
落葉汁
寿司(ヤリイカ,帆立,大ボタン海老)
寿司(ヤリイカ,帆立,大ボタン海老)
焼きタラバガニ
焼きタラバガニ
焼きタラバガニ
焼きタラバガニ


ハサミは縦に割って二人の皿に分けられていたので合わせてみた。
横の携帯電話はDoCoMo N503iS。

時計台 bookmark

 札幌に来た主目的は「美味しい刺身を食う」ことなので,すでに目的は果たしてしまった。あとは観光だが,あまり方々歩き回る元気は残っていないので,とりあえず「日本三大がっかり」の一つとして名高い時計台を見に行くことにした。

ビルの谷間の時計台
ビルの谷間の時計台

 少し道に迷ったりしたため,南側の大通りから時計台に近づいた。話に聞いていた通り,時計台はビル街に埋もれるように建っている。写真には撮らなかったが,南側から眺めると時計台のバックにちょうど某消費者金融の赤い看板が重なり,なかなか情けない構図になる。限られたアングルしか写真に使えないというのは本当なんだな。(笑)

 実は僕もmyuuさんも札幌に来るのは2回目だ。僕は今から10年以上前に勤めていた会社の出張で来ており,その時に時計台も見ているはずなのだが古い話なのでほとんど記憶に残っていなかった。myuuさんが来たのは8年ほど前で,時計台はちょうど平成の大改修工事を行っていてまともに見ることができなかったそうだ。

 時計台の前で記念写真を取り,せっかくなので中に見学に入る。中は時計台関係の情報の博物館になっていた。しばらく見物してから時計台を出る。空港に向かうにはまだ早いので,ホテルニューオータニ札幌の1階にあるレストランでお茶を飲んで休むことにした。このホテルにこだわっているのは,ここに無線LANのスポットがあるからだ。携帯電話でWireless Gateからモバイルポイントのワンデーアカウントを取得し,ノートPCで接続した。無事につながり,mixi等へアクセスすることができた。

そして再び花粉の国へ bookmark

 ホテルニューオータニで1時間ほど休んだ後,そろそろ帰る準備をということで駅に向かった。大丸デパートの地下で土産物を何か買おうとしたが,これはという物が見当たらないので早めに空港に向かうことにする。札幌から新千歳空港まではJRのエアポートライナーという快速電車で行くしかない。ところが,このエアポートライナーの指定席が空いているのは16:55発の列車以降だと言われた。もっと早めに手配しておくべきだったか。なにせ札幌行きは予定外だったので下調べが全くできていない。

 空港までは35分ほどかかるので,16:55発の列車では飛行機の時間(18:00)に間に合うものの全く余裕が無い。仕方がないので16:25発の列車の自由席で行くことにした。10分前からホームで待っていたため,なんとか無事に座席を確保することができた。5両編成の中で指定席があるのは1両だけなので指定席の確保は元々厳しいらしいということも,来た列車を見て初めて学習した。

 17時過ぎに無事に新千歳空港に到着。チェックインしてから土産物を購入した。いろいろ迷ったが,六花亭のマルセイバターサンドにした。飛行機は予定通りに出発。今度もクラスJで,茶菓子も行きと同じミルティーユだった。さすがにバリエーションは無いのだろうか…。

 羽田空港では第2ターミナルに移動して食事をし,リムジンバスで練馬まで帰った。徐々に目と鼻に花粉の影響が出てくる。花粉の無い北海道に今すぐ戻りたくなってしまうな。


 今回はあまり天気に恵まれなかったということもあるが,純粋にスキー場として見た場合トマムはそれほど面白いスキー場では無いと思う。スケーティングが必要になるほどの超緩斜面と上級者用の急斜面が多く,初級者から中級者が快適にロングクルーズを楽しめる場所が少ないからだ。

 しかしガレリアのスイートルームに安く泊まれるのは魅力だし,VIZスパハウスや美味しいレストラン群などスキー以外の楽しみが実に豊富だ。今回は雪が降り続いたため行かなかったのだがアイスドームビレッジもなかなか面白そうだし,犬ぞりやスノーモビルで遊んだりするなどさまざまなアトラクションも用意されている。つい「次回は…」と考えてしまうのも事実である。

 また行きたい。トマムにはそう思わせる魅力が確かに存在する。


更新履歴

2005/03/22 初版

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