「女の砦」の意味を持つバンテアイ・スレイは赤レンガが使われ精密な彫刻は芸術性が高い

アンコール・ワットをはじめクメール王朝の栄華をしのばせる数々の貴重な遺跡群は世界遺産としても知られている。長方形に切り出した石を積み上げ、彫刻や壁画を刻み、20〜30年かけて作り上げたと言う。先人たちの偉大な遺産は1000年の時空を越えて蘇ったが、長年放置されて老朽が進み、  盗掘や内戦などによる破壊された。各国からの協力で修復工事が進んでいるが完全な復元は不可能だろう。しかし残された石の芸術をを見ても巨大さと精巧さに驚嘆させられる。

壁画

回廊の壁 城壁などに膨大な壁絵が施されている。宗教画や王様を称えるもの、戦争、庶民の生活などが細密な筆致で描かれており、当時の様子をうかがい知ることが出来る。色彩は剥げ落ちモノトーンになっている。

神像

(左)「東洋のモナリザ」と言われる女神像。神秘的な微笑を浮かべている。
(中央)女神像は穏やかな表情と豊満な肉体に魅了される。
(右)観音菩薩像をガイドが「日本人の誰かに似ていませんか」と言う。よく見ると「京唄子」の口元にそっくりだった。

シンボル


          女性

       男性

動 物


へび(コブラ)


        

       ライオン
さまざまな動物の像が守り神として、入り口のの両側、建物の四隅などに据えられている。

破 壊

(左)見学道は今にも石が頭上から崩れ落ちそうなところが多い。日本なら当然通行禁止になっているだろう
(中央)ポルポト政権時代の内戦で「偶像破壊」が広がり、仏像の顔が破壊されたり、外国人が美術品として持ち去った
    柱に埋め込まれていた宝石類も完全に盗掘されている。
(右)震災後のような瓦礫の山である。地震はないが老朽化で自然崩壊である
怪獣の巨大な足が遺跡を踏み潰している。熱帯の中で育った樹齢数百年のガジュマロは巨木となり、地中から根が遺跡を持ち上げ、這い上がった根は遺跡にまとわりつき破壊している。ガジュマロは空洞で材木としての使い道はなく、自然の脅威は放置されたままだ。

修 復



各国の協力で一部で修復作業が行われている。崩壊した石片に番号がつけられてコンピュータで復元された原型にあわせて組み立てられていくが、膨大な量であり、遺跡全体の復元は不可能だ。

アンコールワットの人びと