Cannaの操作は、Windowsとだいぶ違うので、私も最初はLinuxの日本語入力は面倒だなと思っていたのですが、慣れると、変換効率が結構いいなと思うようになりました。CannaをEmacs/Muleとkterm上で使う方法は少々違います。ここではEmacsで使う方法を説明します。
英文入力からかな入力に切替えるのは、Control-o です。トグル・スイッチになっているので、かな入力から英文入力に戻るのもControl-oになります。ディストリビューションによっては、Control-\に設定してあるものもあります。
かな入力を漢字に変換するには、Spaceキーを押します。すると変換対象になる文節がわかち書きで表示されます。カーソルの載っている文節が当面の変換対象になります。
最初の変換を変更したいときはもう一度Spaceキーを押すと、次の候補に変わります。同時に下のミニバッファーに変換候補のリストが、番号つきで表示されます。変換候補の中に目的の漢字があれば数字を入力するか、スペースキーまたはControl-fで目的の漢字までカーソルを移動してからEnterキーを押します。Control-bでカーソルを後戻りさせることもできます。目的の漢字がなければControl-nを押すと次のリストが表示されます。Control-pで前のリストを表示することもできます。数字キーまたはEnterキーで変換を確定したらミニバッファのリストが消えます。
そこで、Control-fを押すと次の文節にカーソルが移ります。目的の漢字に変換されていれば、もう一度Control-fを押すと次の文節へ移ります。漢字を変更したいときはSpaceキーを押して先程の操作を繰り返します。また、前の文節に移りたいときはControl-bを押します。
時には変換する文節の字数を調整したいときがあります。そのときは、Control-iを押すと文節の字数が一つ減り、Control-oを押すと文節の字数が一つ増えます。文節の字数を変えるだけで正しい漢字変換が得られることも多いようです。
全ての語句の漢字変換が正しくできたらEnterキーを押します。すると語句の両側の|が消えて変換が確定されます。Enterキーを押す前にControl-gを押すと今までの変換をキャンセルすることができます。
拗音を入力するためには'x'を先行させて入力します。(例 uxindou ウィンドウ)
平仮名をカタカナにするには、平仮名で入力した後すぐにControl-nを押します。
平仮名入力のときに入力をそのまま半角英字で入力したいときは単語を入力した後すぐにControl-pを入力します。
記号を入力したいときは、キーボードから何も入力していない状態で、InsertキーまたはF1キーを押すと、記号入力モードになります。Control-fキーとControl-bキーでミニ・バッファーのカーソルを移動して記号を選択しEnterキーをおすと記号が入力できます。ミニ・バッファーのリストはControl-nとControl-pで変更できます。記号入力モードを出るためにはControl-gを押します。
16進コードで入力するときは、2つ方法があります。第1の方法はF2キーを押すとミニバッファーに'コード:'と表示されるので、16進コードを入力し、Enterをおします。第2の方法は16進コードを入力した後Control-yを入力します。(例 2276 Control-y で ♪が入力されます。)
部首変換による入力をするときは、かな入力モードで何も入力していないときにF3キーを押します。すると、ミニバッファーに部首のリストが表示されますから。Control-f、Control-b、Control-n、Contorl-pを使って目的の部首を選択した後Enterキーを押します。さらに、目的の漢字を選択してEnterキーを押して確定します。
部首名の略号を知っていれば、部首名を入力した後 Control-wを押します。(例 きがまえ Control-w )対応する漢字のリストがミニ・バッファーに表示されるのでその中から目的の漢字を選択します。部首名の略号は付表に示します。
Esc x と入力した後、ミニバッファーに canna-touroku とタイプしてEnterキーを押します。あとは、プロンプトに従って、単語と、読み、品詞、保存する辞書などを入力すればOKです。
登録したい単語の上にリージョンを設定します。次に、Esc x と入力した後、ミニバッファーに canna-touroku-region とタイプしてEnterキーを押します。するとリージョンの単語が登録され、読み、品詞、辞書の入力で単語登録をすることができます。
CannaをコンソールやNetscapeで使うときはフロントエンドにkinput2を使います。日本語入力と英文入力の切替えにShift-Spaceを使いますが、後の操作はEmacsと同じです。
これだけを知っていれば日本語入力でそうストレスを感じないと思います。Cannaを使うときのコツは、逐次変換ではなく、1文くらいの長さを入力して連文節変換することです。連文節変換の方が正しい候補が現れることが多いからです。連文節変換のときは、Control-f、Control-b、Control-i、Control-oの使い方に慣れていた方が良いでしょう。連文節変換を上手に使えたらCannaが不便だとは思わなくなると思います。
表記は<部首>(<部首名>; <部首コード>)になっています。部首変換に使用するのは部首名ではなく、部首コードを使います。