住I民I投I票I問I題I経I過I報I告I(3月11日以降について)
3月11日  九電が市長と議長に串間原発立地計画の「白紙・再検討」を申し入れる。
■市長    白紙の意味は聞いていない。
      (原発立地候補地点の)25箇所から外れたのだと思う。
      完全撤退と受けとっている。
      予算案を議会に提出している以上、情勢が変わろうとも市民投票は公約どお
      り実施する。
■推進派  「何も聞いていない。はしごをはずされた感じ。断念や撤退を意味するのか
      の真意が不明。(九電に)直接聞いたあと、対応を話し合う。」(松本正人
      ・串間商工会議所専務理事)。
      「本当に白紙なら問題自体が無くなるのだから投票はいらない。」(井手徳
      幸・串間商工会議所会頭)
■九 電  「白紙に戻すというのは、撤退でも、断念でもない。最重要地点から白紙に
      戻して原点に戻り、再検討するということ。」(鎌田副社長)。
      市民の間で賛否の議論が起きており、迷惑をかけているので申し入れた。
      原発反対市長の再選や市民投票の準備など、いい材料はない。
■宮崎県    県として特に申し上げることはない。
■通産省  国の電源立地政策に直ちに影響を与えるものではない。
■マスコミ 串間原発白紙断念(南日本)。
      串間原発断念(毎日)。
      串間原発白紙(読売)。
      串間原発白紙(宮崎日日)。
      串間原発白紙撤回(朝日)。

3月13日  串間市電源立地推進協議会、運動継続の決定。
■推進派  地域活性化の原点に帰るべきである。
      九電は撤退とか断念とは言っていない。
      住民投票の取り組みについては、議会の結論を待って判断したい。
      「市の施策や方針は議会が決めるのが本来の姿。その意味では住民投票は悪
      例になり実施すべきではない。」( 神山常孝・串間市漁協組合長) 。

3月14日までに、原発推進派議員4名が、修正案を提出。
■推進派  「九電が撤退した以上、もう投票をやる必要はない。」(河野克巳議員)。
      「白紙撤回で投票の根拠はいよいよ薄くなった。」(森光昭議員)。

3月21日  串間市議会、無記名投票で修正案を可決。
■市長   議決を重く受け止め、提案理由、議論を熟慮の上、検討したい。
■推進派  「少なくとも反対の市長、議員の任期中に立地はあり得ず、投票も必要ない
      2、30年先という将来のことを論ずるべきでもない。」(河野克巳議員)
      「九電の白紙で、串間市には原発問題自体が無くなっている。議会もそう判
      断したのだろう。」(井手徳幸・串間市商工会議所会頭)。
      「逆風下での住民投票が実施されなくなり安堵している。これからは地道に
      誘致活動を続けたい。」(松本正人・串間市商工会議所専務理事)。
      「少なくとも次の市議選で議員が入れ替わるまで市民投票はないだろう。」
      (代口修・ニューリーダー会会長)。
■九電   議会の議決につきましては地方自治の問題であり、当社からのコメントは差
      し控えさせていただきます。串間地点については先日発表いたしました通り
      白紙に戻し再検討を行う考え方に変わりはありません。

3月25日  九電鎌田副社長「断念と受けとってもらってかまわない。
■市長   まだ、内容を確認していないのでコメントは差し控えたい。
■推進派  「状況は厳しいと判断したのだろう。直接九電の真意を聞かせてほしい。」
      (井手徳幸・串間市商工会議所会頭)
      「完全撤退であれば住民投票の意味もなく闘う気力もない。」(松本正人・
      串間市商工会議所専務理事)。
      「地域活性化策は、串間市にとって原発しかない。今後も誘致活動を続けて
      いく。」(森光昭議員)。
■九電      「1.(白紙・再検討は)断念と受けとってもらってかまわない。
       2.(完全撤退、串間は原発立地候補から外れたと)そう考えてもらって結
        構だ。
       3.(串間には原発はつくらない)将来の事はわからないが、今の考えとし
       てはそういうことだ。
       4.(断念に至った理由は)3月11日後の状況を十分検討した結果だ。世論
          は厳しく、動燃事故のこともあった。 
        ・(住民投票予算が通らなかったこととは『断念』は)関係ない。
       ・(住民投票を回避できるとは)そうは思わない。
       5.立地についてはとにかくしない。
       6.(広報活動は)九州全域でやっていること(串間で全くしない)とまで
        は考えていない。地元を刺激するようなら慎まなければならない。
       7.(住民投票が行われる場合も活動しないという)そこまでは考えていな
        い。」鎌田副社長。
      「地元の情勢が変わらないかぎり、立地はできない。」「断念と明言すれば
      今後反対派が『住民投票条例をつくれば電力会社は立地をあきらめる』とし
      て電力会社を追い込んでくることも考えられ、ほかの立地地点に影響を与え
      かねない。」「(串間が立地地点として消えたわけではなく)一つの候補地
      としては残る。」(それぞれ九電幹部談話)。
■宮崎県  「業者が判断されることなので、申し上げることはない。」(松形県知事)
■通産省  一企業の問題であり、国のエネルギー政策には関係ない。
■マスコミ 串間原発断念(西日本)
      串間原発立地を断念(宮崎日日)
      串間原発撤退表明(読売)
      串間原発、九電正式断念(朝日)
3月27日  市長、鎌田副社長と会見した帰京後のマスコミに対し「九電は完全撤退」の認
識を示す。
■市長   九電副社長とあって確認した。九電は完全撤退したと認識している。
                    (詳細は5.12臨時議会議事録参照・別紙) 

3月28日 九電、木城町小丸川揚水発電所の建設計画を国の電源開発調整審議会に上程し
      1998年度の電力供給をめざすことをを明らかにする。

3月31日  市長再議を行わず。
■市長      九電の完全撤退で住民投票をせずして反原発は勝利した。
      再議をすれば予算全体の成立が遅れ市民生活に影響が出る。
      公約は尊重する。
      串間の活性化を国や県にお願いする。

4月3日 九電、対策本部の面会申し入れを「説明することがない」として断る。

4月4日、20日  九電、宮崎日日日南・串間版に広告掲載。

4月4日 無記名投票について議長に申し入れ。
■議長   無記名投票は規則に則り行った。
      今後も状況しだいではありうる。

4月17日  市長、市木の区長会で「補正予算を提出する気は今のところない」と発言。

4月21日  原発いらない九州ブロックとの交渉で九電、正式文書を出さないと言明。

4月22日  電源立地推進協議会、活動休止を決める。

4月26日  宮崎日日、山下市長の独占記者会見を掲載(別紙参照)

4月30日  西日本新聞、松本正人・串間市商工会議所専務理事の会見掲載。
■推進派  「『原発が必要』という考えが串間の多数を占めることも有り得るので(電
      源立地推進協議会の)解散までは必要ない。」
      「(住民投票見送りについては)状況が厳しかったのでホッとした。」
      「(3月議会の)市議会の決定は無視できない。議会制民主主義尊重の立場
      から、補正予算案の提出もすべきではない。」
      「リコール問題はそのうち沈静化するのではないか。リコールには賛成でき
      ないという反原発派市民も多い。」
5月1日 市長、串間市報で、自らの正当性を主張。(別紙参照)

5月12日  市長、市議会で九電「断念・撤退の『確認』」を報告。
        まI とI めI(市長、推進派、九電の言い分)
■市  長  住民投票にむけて12月議会では準備委員会の予算を成立させ、準備委員会を発
     足させた。
     3月議会では投票関連予算案を提出し、実施にむけて努力した。
     しかし、議会で修正案を可決された。
     議会制民主主義を尊重する立場から、また市民生活を守るため予算の成立を優
     先して再議は行わなかったが、九電の「断念・撤退」で、反原発は住民投票以
     上の結果を得、勝利した。
     事実上、公約以上の成果を挙げている。
     予算執行で市民生活を守り、市民も理解してくれている。理解していないのは
     一部の人たちにすぎない。
     今のところ補正予算は考えていない。
■推進派  住民投票を回避し、安心した。
     将来の立地誘致活動にむけて時間を稼ぐことができた。
     時がたてば、活性化の手段が何もない串間市では、最終的に悲鳴をあげて推進
     派が増え、原発誘致に動くだろう。
■九 電 住民投票回避の目的は達した。
     串間の情勢変化を待ち、条件整備ができれば、将来再び、立地に動きたい。
■議会・議長 無記名投票は、規則に則り行った。
     今後も状況しだいでは、ありうる。