5.12 臨時議会議事録(抄録)
  [原子力発電所の案件に関する報告] 
山下市長 3月21日の修正案可決を受けて、熟慮検討中に、3月25日、九電鎌田副社長の
     「串間原発立地構想断念」発言があったので、3月11日の「白紙・再検討」と
     あわせて確認するため、東京で直接鎌田副社長と会ってきた。
     その結果、
     1.3月11日の「白紙再検討」の意味−断念と受けとってもらってもけっこう。
     2.完全撤退、串間は立地構想からはずれたということか−そう考えてもらって
      けっこう。新たな立地は必要だが、串間はその中にはいらない。
     3.串間に原発を作らないということか−将来のことまでは、約束できないが、
      今の考えとしてはそう考えてもらって結構。
     4.完全撤退ということか−そのくらいでけっこう。
     5.断念に至った理由は−3月11日後の状況を十分検討した結果、動燃のことも
       あり断念に至った。
     6.今後串間市で立地活動はしないのか−立地に関してはとにかくしない。
     7.広報活動もしないということか−九州全域でしていることであり、そこまで
      は考えていない。ただ地元を刺激するようなら、慎まなければならない。
     とのことだった。
     私は、九電は串間地点における原発立地構想を断念した、完全撤退した、とい
     う認識を得てきた。
(暫時休憩)
 [経過報告に対する質問] 
武田議員 1.市長と九電鎌田副社長との会談(以下、東京会談)は、市長が申し入れたの
     か、九電から申し入れがあったのか、第三者が仲介したのか。
     2.市長は、なぜ九電が文書出さないのか、九電が文書を出さない理由をどう思
     っているのか。
     3.九電の真意について確約できるものがなければ納得できないという市民の声
     にどう対処するつもりなのか。
山下市長  1.25日の鎌田副社長の記者会見のことを知り、真偽を知るべく私のほうから申
     し入れた。
     2.文書については九電に「是非欲しいが」と申し入れたが、九電が「文書につ
     いては差し控えさせていただきたい」との事だった。
     3.お互い九電のトップと市の責任者という立場で公のなかで確認したので、市
     民の皆さんにも是非ご理解いただくよう市報等に掲載した。
武田議員  4.市民はすっきりしないものを感じており、これで解決したという確約を求め
     ていると思うが、市長は今の市民の状況をどうみているのか。
     5.市民の間で、市長は原発反対という公約を反故にするのではないかという疑
     念があるけれど、市長の今の心境を述べてほしい。
山下市長  4.反対する人のなかにも騒動をすることなく冷静な方、1年以内の公約がある
     じゃないかと怒りを持っている方。賛成する方でも、九電が撤退であればやむ
     おえない、このままじっとしておくべきじゃないかと言うような意見があるこ
     とを承知している。
     5.選挙公約を実行すべく、準備委員会の予算を成立させ、準備委員会を発足さ
     せた。また、3月議会では、投票経費を上程した。しかし、議案を審議しチェ
     ックする議会が今はだめだということだった。けして公約を反故にしたとは思
     っていない。九電側もそのような状況にない。
田上議員 1.東京会談では、何時に、どこで、何分くらい話したのか。
     2.第三者はなかったのかどうか、出席者の中身を知りたい。
     3.東京へは鎌田副社長に会うためだけに言ったのか、関連の用件もあったのか
     どうか。
     4.七項目については、前もって準備してあったのか、それとも会談のなりゆき
     で出てきたものをまとめたものなのか。
     5.会談の結果がテープかメモで残っているのか。
山下市長  1.会ったのは3月26日午後。
          2.出席者は九電は副社長以下1名、市長、立会人1名の4名。
     3.上京すればいろいろ用件がある。時間が許せばいろいろなところへ行く。
     4.問題点は私どもで整理して持っていった。
     5.メモについてはお互いの信義があるので(明らかにできない)。
田上議員 6.会ったのは何分間か。
     7.鎌田副社長からはっきり「断念」あるいは「撤退」という言葉が正式にでた
     のか。
     8.「串間に原発は作らせないという目的は達したから住民投票の必要はない」
     など言っているが、撤退の場合でも住民投票するとしたJA青年部連絡協議会と
     の「誓約」についてどう言明するのか。
(8.の質問をめぐって暫時休憩) 
山下市長  6.時間にして15分から20分。
     7.「断念」「撤退」については、鎌田副社長の答えは「そのように受けとって
     もらって結構です」だった。
田上議員  9.先程の[8.]については市長の最初の説明の範疇ではないということなので、
     質問を変えて各団体との公約にはどう対処するつもりか。
     10.市長は反原発団体に対して九電との確約の上、説明し、その中で、活性化
     の事にもふれている。九電との会談のなかで立会人も含め、串間の活性化の話
     は出たのか。
山下市長 9.(無視)
     10.九電とは確約してきたわけではない。真偽のほどを確認にいっただけだ。
     会談の席では活性化の話は出なかった。
川崎議員 1.九電の本社は福岡なのになぜ東京で会ったのか。
     2.会った場所は、具体的に事務所なのか、ホテルなのか、料亭なのか、教えて
     ほしい。
     3.会った時間も正確に何時から何分間なのか。
     4.市長と鎌田副社長のほかに国会議員が同席したのか、通産省の役人が同席し
     たのか。
     5.市長が副社長に確認したのは九電の公式見解か、副社長の個人的見解か。
     6.公式のものであれば文書はいつ来るのか。
     7.確認事項については市長と議長宛に文書で出すよう言ったのか。
     8.九電新聞5月10日号(2万部、九電社員1万5000人と得意先や関連会社に配
     付)の『3月11日から4月20日までの動き』という欄では串間関係は3月11日
     のみしかない。3月25日の「断念・撤退」は記事になっていない。九電は何も
     言っていないのに「広報くしま」では大きく取り上げている。市長が東京で副
     社長に会って確認しただけでなぜ信用しろというのか。
山下市長  2.場所については明言できない。
     3.会った時間は15分ほど。
     1.私は本社に出向く立場にない。
     4.立会人が国会議員かということについては明言を避けさせていただきたい。
     (通産省の役人かについては無視)
     5.鎌田副社長が3月25日公の場所で話しているので、公人として話をした。
     6.7.文書については先程の回答の通り。
     8.九電は3月11日の文書には検討するということを加えている。25日の記者会
     見では、それを含めて熟慮した結果、撤退すると理解しても構わないと発表し
     た。その事をお互いに確認したのだと認識している。
川崎議員 9.情報公開の時代に、立会人を明言できない理由はどういことか。市民がみな
     知りたいことだ。会談の様子をきちんと示すべきだ。
     10.公式な会見に公文書がつくのは当たり前のことだ。何もないというのは納
     得できない。
     11.九電が「撤退と取られても構わない」というだけで市長は本当にそう思っ
     ていられるのか。
山下市長  9.場所などについては先程いったとおり。
     10.副社長の発言内容を確認に行っただけ。
     認識の違いはあるかもしれないが、確約を結びに行ったわけではない。
     認識の確認をしに行っただけだとそう理解してほしい。
     11.「100%撤退します」とはニュアンスが違うが、九電のトップになる方
     が、公の県庁の記者会見で言ったことを、私もトップという立場で確認してき
     た。
川崎議員 12.九電の公式発表もなく、文書もないけれど市長が会ってきたから信用しろ
     ということなのか。
山下市長 12.九電のトップになろうという方と串間市長とがお互いの信義の中で話して
     きたということは市民に理解して欲しい。
(昼食休憩)
内田あきら議員  1.東京会談をセットしたのは誰か。
     2.国会議員はその席にいたのか。
     3.七項目は後の4項目が前の3項目の補足にすぎない。本当は後の4項目は別
     にあったのではないか。
     4.再議は市長が積極的に動く方法ではないか。
     5.再議を検討する際、暫定予算を考えなかったのか。
     6.市長は、住民投票をしろと言っているのは一部の人だと発言しているけれど
     真意を伺いたい。
山下市長  1.2.こちらからお願いをした。
     仲介者や立会人は迷惑がかかるといけないので回答を控えたい。
     3.九電の回答は最初の3項目。
末海議長 再議、暫定、住民投票一部は答弁はひかえますか。市長。
 (暫時休憩) 
内田あきら議員 7. 再議、暫定予算についてはぜひとも答えてほしい。
     8.4月2日の朝日新聞が国会議員の関与を示唆している。どういうことか。
     9.PA活動については4月20日、5月4日の宮崎日日の日南・串間版に広告を掲
     載しているが、九電は本当に串間でAP活動をやっていないということになるの
     か。
山下市長  7.(無視)
     8.国会議員は関係していない。
     9.PA活動については確約したとは言っていない。確認しただけだ。
内田あきら議員  国会議員の関与についておっしゃるとおりなら新聞社から相当な抗議で
     るものと覚悟していただきたい。
児玉議員  1.市長が公の場所で副社長と会ったのであれば、会談の場所、立会人を正式に
     報告するべきではないか。
     2.会談の際、場所、立会人を明らかにしないという約束でもあったのか。
山下市長  1.九電副社長が公の場所で発言をしたことを確認したこと報告した。
     2.(無視)
児玉議員 3.文書か記者会見で九電が明確にしないかぎり市民は納得できない。市長がそ
     のことを九電に対してするべきだと思うが。
山下市長  3.市報を使ってやった。
児玉議員  4.立会人は誰か
山下市長  4.こちらから申し入れをした。

ポイント h東京会談での鎌田九電副社長の回答は「〜と受けとっても構わない」ばかり
     で、3月26日の記者会見と同じく「断念・撤退」は明言していない。
     i市長と鎌田副社長の間には確約は交わされていない。
     j市長が3月26日の鎌田副社長の発言を確認しただけである。
     k東京会談の立会人、場所、正確な時刻は明言していない。
     l国会議員の立会いは否定した。
     m東京会談は市長側から申し入れたとしているにもかかわらず、仲介者を示唆
     している。