腸閉塞プロトコール

救急治療室


目次

  1. 初めに
  2. 癒着性腸閉塞
  3. 絞扼性イレウス
  4. 腸アニサキス症
  5. afferent loop syndrome(輸入脚症候群)
  6. 大腸癌による腸閉塞
  7. 閉鎖孔ヘルニア
  8. 食餌性イレウス
  9. 胆石イレウス
  10. イレウス管の挿入法
  11. 腹水穿刺の仕方


1.初めに

  腸閉塞の存在診断は病歴・既手術歴・腹単・腹部エコー・臨床症状により付けられる。腸閉塞の患者を診察するときにまず行わなければならないのは鼡径・大腿ヘルニア嵌頓の有無で、鼡径部を調べ、ヘルニアがないことを確認しておく。肥った老人女性の鼡径ヘルニア嵌頓・大腿ヘルニア嵌頓は触診しないと視診だけではわからないことがある。また閉鎖孔ヘルニアによる腸閉塞は,閉鎖孔ヘルニアを疑って鼡径部エコー・閉鎖孔CTまで行わないと診断できないことの方が多い。

  腸閉塞の質的診断は腹単より腹部エコーにて行う。経過を追うのも主として腹部エコーにより行い、腸管拡張の程度、腸管内容液の性状・動き、腹水の有無・増減等をチェックする。


2.癒着性腸閉塞

  腸閉塞の症状を示す患者には必ず、一日前からの刺身・生魚・シメサバ摂取の既往を聞いて、腸アニサキス症の可能性を否定しておかなければならない。

  一般に胃切や胆摘などの上腹部の手術後の場合には、正中切開創への上部小腸の癒着であることが多く、経鼻胃管のみにて改善するケースも多いが、虫垂切除や婦人科など下腹部の手術後の場合には下部小腸が骨盤腔内で癒着を起こし、イレウス管が必要になることが多い。

  エコーにて腸管拡張軽度有るも臨床症状が軽く、腹部の圧痛もあまりなく、悪心・嘔吐もなければ絶飲食のみにて経過を観察できる。

  腹単・腹部エコーにて胃拡張・腸管拡張有り、拡張腸管上に軽度の圧痛があり、周期的な疝痛発作が有り、胆汁性の嘔吐があるか、胃の拡張があれば、上部小腸の閉塞と考え、経鼻胃管を入れる。経鼻胃管による減圧だけで症状が改善し、排ガスが有り、腹部エコーにて腸管拡張が消失すれば、経鼻胃管を抜去して、経口摂取を開始して良い。

  腹単・腹部エコーにて胃拡張はないが腸管拡張が有り、下腹部を中心とした圧痛があり、周期的な疝痛発作が有るも悪心・嘔吐が無いかもしくは胃液のみの嘔吐であれば、下部小腸の閉塞と考え、最初からイレウス管を挿入する。また経鼻胃管で様子見て、症状が改善しない症例にもイレウス管を挿入する。

  イレウス管を挿入して症状が改善し、イレウス管が進行して腹部エコー上で小腸拡張が無くなり、イレウス管からの排液量が減少し、排ガスがあるようであれば、イレウス管造影を行い、先端からの造影剤の通過が良好で、できれば大腸内に造影剤が入るのを確認してイレウス管を抜去する。腹部症状が改善せず、小腸の拡張が取れず、排液量が多く、排ガスが無く、イレウス管の進行がなく、造影にて小腸が拡張したままであるかイレウス管造影にて先端部に狭窄の所見があれば、手術を考えなくてはならない。

  癒着性腸閉塞時の仙痛発作(intermittent colicky pain)に対しては腸管の動きを抑制するブスコパンは使用してはいけない.ブスコパンを使用すると一時的に症状は改善するものの,腸液が貯留し,その後はかえって症状が悪化する.純粋な鎮痛剤であるソセゴンにて対応する.


3.絞扼性イレウス

(腸閉塞のエコー)

  持続的で激烈な腹痛(鎮痛剤にても収まらないか、若しくは鎮痛剤の効果が切れると痛みが再燃する)・腹部エコーにて部分的に拡張し、内容物の移動の無い二層構造もしくは水様のecho-lucentな内容物を示す腸管があり、その拡張した腸管上に強い圧痛があれば、まずはclosed loop型の絞扼性イレウスと考えてよい.

  絞扼性イレウスはその初期には腹単上は特に異常所見を認めない。絞扼されている腸管はclosed loopを形成し、空気を含まないため、腹単ではそこにガスがない像(gas minus ileus)としてしか写らない。進行すると絞扼されている腸管より口側の腸管が拡張してくるため、腹単上でも小腸の拡張・Niveau像が現われてくる。注意すべきは絞扼されている腸管上にはある程度の圧痛が生じ、腸壊死が進むにつれその部分の圧痛・defenseが強くなり、腹水量が増加してくることである。また腹部エコーでは絞扼された腸管は、腸壁の肥厚・腸内容の移動の停止・腸液の二層への分離(上層は水様でecho-lucentな腸液、下層は輝度の高いhigh-echoicな内容物)等の腸内容の停滞の兆候が出てくる。また内容物の充満した腸管がある時には単なる癒着性腸閉塞の場合が多いが、拡張した腸管内容物が腸液のみでlow echoicである場合には絞扼性イレウスである確率が高い。腸管内容物の二層化の所見まで出てくれば腸管はすでに壊死を起こして来ている可能性が高くなる。

  穿刺出来る腹水が有り、絞扼性イレウスの可能性があれば、腹水穿刺を行う。血性腹水であれば絞扼性イレウスを起こしていると考えてよく、開腹の絶対適応であるが、緩やかな絞扼の場合には血性にならないこともあり、腹水が血性でなくとも絞扼性イレウスを否定は出来ない。代謝性アシドーシスの進行、GOT・LDH・CPKなどの筋原性酵素の上昇は腸管壊死への進行を示している。

  発症初期より、持続する腹痛比較的強い部分的圧痛・腹部エコーで圧痛部位に一致して内容が停滞し拡張している腸管を見た段階で絞扼性イレウスを疑って開腹すれば、バンド切除・癒着剥離のみですむこともある。絞扼性イレウスで大事なことは、いかに腸壊死を起こす前に診断を付けて開腹できるかであり、腸壊死を起こし、腹膜刺激症状が強くなり、全身状態が悪くなってからの開腹では遅すぎる。


4.腸アニサキス症

  腸アニサキス症は生魚、特にサバ(シメサバを含む)やアジ・イカ・シビなどの刺身を摂取後、約半日〜一日して起こる(アニサキスは酢では死なない)。したがって、腸閉塞の患者を見たときにはその直前の食事内容だけでなく、一日前からの食事内容も聞かなければならない。腸閉塞が起こる発生機序としては、経口で腸内に入ったアニサキスが腸壁に迷入し、そこの腸壁にアレルギーによる局所的な腫張を起こし、部分的な腸麻痺を来たす。そこに腸液の停滞が起こるため、それより上部の小腸に腸液が貯留して拡張し、腸閉塞と同様の間欠的な疝痛発作が起きると考えられる。

  腫張している腸壁上には強い圧痛があり、腹部エコーでは腸管壁の肥厚を認める。経過としてアニサキス摂取後、半日〜一日間は無症状であるが、二日目に腹痛が起こり始め、三日目・四日目に腹痛が一番強くなり、この時期に医療機関を受診する。その後、腹痛は次第に消退し、腹部の圧痛も取れてくる。普通、絶飲食だけでも治療できることが多いが、腸閉塞症状の重症度に応じて経鼻胃管・イレウス管が必要になることもある。手術歴の無い人が腸閉塞症状にて来院すればまずは腸アニサキス症の可能性を考えなければならないし、手術歴のある人でも腸アニサキス症の可能性を絶えず考えに入れておき生魚摂取の有無等の問診をしなければならない。


5.afferent loop syndrome(輸入脚症候群)

  絞扼性イレウスの一種にafferent loop syndromeがある。胃切の既往(B-II法)があり、持続的な腹痛・限局した圧痛がある場合にはこれも考えにいれておく。正中から右上腹部にかけて圧痛があり、腹部エコーにて同部に内部エコーの乏しい十二指腸と思われる拡張した腸管を認めたら、afferent loop syndromeの可能性を考えて早目に開腹したほうがよい。バンドによるafferent loopの絞扼やafferent loopがefferent loopに入り込んだりしており、早目であるとバンド切除・癒着剥離のみで済むからである。開腹が遅れるとafferent loopが破裂し、治療に難渋することがある。


6.大腸癌による腸閉塞

  大腸癌により腸閉塞症状を来たしてくる場合、回盲弁の機能がよいかどうかで、イレウス管を入れて保存的に治療しながら精査・減圧が出来るか、早目に開腹した方が良いかに分けられる。回盲弁の機能がよければ大腸内容は小腸に逆流せず、小腸の拡張はなく、よってイレウス管を入れてもあまり意味がなく、注腸透視にて診断確定後、早目に開腹しなければならない。盲腸が一番拡張圧に弱く、直径が10cmを越えると盲腸部の破裂を来たす可能性が増大し、また閉塞性腸炎を来たす可能性も増大する。回盲部の機能が不十分であると、圧は小腸に逃げ、小腸が拡張してくるため、イレウス管の効果が期待でき、イレウス管を入れて減圧しながら手術までの精査時間を稼ぐことが出来る。

  いずれにせよ腸閉塞で来院した患者の腹単を厳重にチェックし、大腸(特に盲腸・上行結腸)の拡張がないかどうかを調べ、大腸癌が疑われるときには早期にガストログラフィンによる注腸透視を行い、確定診断を付け、早めに手術を行う。

  現在では手術はほとんどの症例にて一期的手術が可能である.まず通常の郭清と血管処理を行い,遠位部を切除する.次いで癌の口側を切開し,イレウスバッグをそこより挿入し,固定する.近位部の小腸・大腸より腸管内容をそのイレウスバッグ内に押し込む.その後は通常の吻合を行えばよい.イレウスバッグのおかげで,腸閉塞であっても術野の汚染なく,一期的手術が出来るようになった.

  イレウスバッグ:当院で使用しているのは三共株式会社のイレウスバッグ「三共」で,サイズLのものである.このバッグは大腸破裂などで人工肛門を作らざるをえない場合にも有用である.人工肛門を作る際には,まず皮膚は縦切開のみを行って,腸管を腸間膜の処理をせずにそのまま腹壁から出し,断端からイレウスバッグを挿入して二重に固定する.これにより人工肛門の腹腔内への落ち込みが防げるため,腸管を腹壁に固定する必要がない.イレウスバッグの固定は1週間ほどで脱落するが,そのころには腸管と腹壁はしっかり癒着している.そのまま放置しておりても時間が経てばきれいに突出した人工肛門となる.


7.閉鎖孔ヘルニア

  中年〜老人女性が原因不明の小腸による腸閉塞症状で来た場合(特に手術歴が無い場合や多産でやせ形の場合)、閉鎖孔ヘルニアの可能性を考えておかなければならない。Richter型の場合には不完全な腸閉塞症状しか来たさず、腹満はあるも排便・排ガスが少量ずつあるため、注意が必要である。閉鎖孔ヘルニアの嵌頓により閉鎖神経を圧迫し、Howship-Romberg徴候(患側大腿内側から膝部にかけて放散痛やしびれ感)が腸閉塞症状出現前に出てくることがあることも特長である。また大腿内側部が腫脹していることもある。腸閉塞の結果としての嘔吐やコーヒー残渣の吐血により受診し、単なる急性胃腸炎や上部消化管出血と考えてしまうこともあるため注意しなければならない。

  閉鎖孔ヘルニアの可能性を考えたら、エコーにて丹念に鼡径靭帯より下方に腸管脱出がないかどうかをチェックする。閉鎖孔ヘルニアであれば大腿動静脈より内側の鼡径靭帯の下を通って大腿内側筋間に脱出している腸管が見られる。エコーにてハッキリすればそれだけで手術に持っていってよいが、エコーに自信が無かったり、ハッキリしないが、疑わしければ、閉鎖孔のCTを撮る。確定診断は閉鎖孔の造影CT(間隔は5mm幅)にてつけられる。イレウス管が入っていれば、イレウス管からの先端造影にて閉鎖孔へ向かう先細り像もしくは閉塞像が得られることにより診断が付くこともある。閉鎖孔ヘルニアは絶対手術適応であり、早期であると、腸管切除を行わなくて済む場合もある。周囲の癒着を剥離し、嵌頓している腸管を閉鎖孔から軽く引っぱりながら、大腿内側からヘルニアサックを腹腔内に押し込むようにすると腸管の断裂を来たさない。閉鎖孔は腹膜による単閉鎖では再発を来たしやすいため、ヘルニアサックを引っ張り出して反転させて根部で結紮し卵管もしくは卵巣による充填あるいはカバーリングを行っておくほうがよい。


8.食餌性イレウス

  食物塊により小腸が閉塞し,イレウス症状を呈することが有る.このときの臨床所見・腹部エコー所見は絞扼性イレウスの所見に類似する.これは食餌性イレウスの場合,食物塊により腸管の完全閉塞を来すためであると考えられる.臨床症状としては持続痛を訴え,腹部エコーにてlow echoicな腸液で拡張した動きの少ない小腸を認める.拡張した腸管の先端に食物塊のエコーが見られることもあるが,エコーを行う際に,食餌性イレウスの概念が頭に無ければ見つけることは困難である.

  治療法としては,絞扼性イレウスと鑑別が困難であるため,開腹したほうが安全である.腹腔内に小腸に詰まった食物塊とその上部の拡張した腸管を見つけたら,上部の方から食物塊を大腸の中に押し込む.手術はこれだけでよい.しかし放射線腸炎などで小腸狭窄を来していて,そこに食物塊などが詰まってきた場合には小腸を縦に切って横に縫い合わせる小腸形成を行う.


9.胆石イレウス

  胆嚢内の胆石が胆嚢炎などで十二指腸との間に瘻孔を形成して十二指腸内に落ち込み、小腸内で通過障害を起こして腸閉塞となる。これもこの疾患を可能性・存在そのものを考えていなければまず見逃してしまう。腸閉塞の患者を見たときには胆石イレウスの可能性を考えにいれておき、閉塞を起こしている胆石陰影がないか、胆管内ガス像air cholangiogramがないかを必ず腹単にてチェックするようにする必要がある。一般的に胆石イレウスを起こしているときには、胆嚢は萎縮し、空気が入っているため、腹部エコーにて胆嚢がハッキリしないことが多い。


10.イレウス管の挿入法

  エマージェンシー・ナーシング(Emergency Nursing) 1997 Vol.10 No.5 530〜534:メヂィカ出版
 新・救急処置とその看護 第15回:「ロングチューブの挿入」参照

(手術を考慮すべきイレウス管造影所見-狭窄)

  クリニーのイレウス管を用いる。まずオリーブ油10ccをイレウス管内に入れ、ガイドワイヤーを先端まで挿入しておく。仰臥位にてイレウス管を入れ始め、イレウス管先端が胃内に入ったら、右側臥位にして、イレウス管の先端が幽門部に向かうようにする。幽門まで来たら再度仰臥位にしてイレウス管を回転させながら出し入れを行い、先端を幽門輪を越えさせる。十二指腸球部に入ると先端が後ろ向きに回るのでわかる。ガイドワイヤーの先端が絶えず十二指腸の第二から第三部にあるように一人がガイドワイヤーの出し入れを調節しながら、もう一人がイレウス管の先端を進ませていく。途中で胃内にとぐろを巻かないように、また途中の小腸でループを作らないようにして、絶えず先端に力が伝わるように注意する。先端が反転していても進みさえすればそのまま押し込んでいくが、先端が進まなくなったら、一旦引き抜いて、反転を解除し、更に押し込んでいく。イレウス管がどうしても進行せず、腸管の走行が分からなければ、側管よりガストログラフィンを少量注入し、先端の腸管の走行を調べる。イレウス管先端の曲がりが腸管の走行と反対であれば、イレウス管を手元で回転させ、その回転を先端に伝えてイレウス管先端の走行が腸管の走行と一致するようにする。腸管が正中切開創に癒着して持ち上がっている場合には側臥位にするとイレウス管が進行しやすくなることがある。またイレウス管先端部の腹壁を軽く叩いて振動を与えたり、腹壁を揺すったりすることにより先端部が進むこともある。イレウス管が途中までしか入らなくても,余分な分は胃内でトグロを巻かせ、イレウス管の根本で固定する。バルーンは水10mlにて拡張させておく。

  イレウス管挿入後の処置としては、イレウス管がまだ拡張部に有る間はイレウス管からの排液量が多くて500〜1000ml/日前後の排液があるが、狭窄・屈曲部を越えると、排液量が100〜300ml/日に急に減少する。毎日、腹部エコーにて腸管拡張の程度を見ていく。腹部エコーにて腸管拡張がある間は造影をしても無意味なことが多いため、拡張した腸管がなくなってからイレウス管造影を行い、肛門側の狭窄等の異常の有無を検索する。肛門側に明らかな狭窄の所見があれば手術適応であるが、屈曲のみでは経過を見てよい。概して造影時に使ったガストログラフィンが大腸内に移行しているようであれば、保存的に治療できることが多い。肛門側に異常がなかったら、イレウス管を抜き、経口摂取を開始する。イレウスの症例は退院前にできたら注腸透視・小腸透視を行うようにする。

  イレウス管がどうしても幽門輪を越えないときには、内視鏡を使ってのイレウス管挿入を考える。まずイレウス管の先端の球状の部分に糸を結び、直径2cmほどのループを作っておく。胃内にイレウス管を十分の長さ押し込んでおく。次いで、内視鏡を行い、イレウス管の先端を見つけ、生検鉗子にて先ほど作ったループを挟み、そのまま十二指腸内に引っ張っていく。内視鏡を出来るだけ十二指腸内に深く押し込み、そこで生検鉗子の挟みを解除する。この操作は透視下に行い、内視鏡を抜くときにイレウス管が一緒に抜けてこないように注意する。どうしても一緒に抜けてくるときにはイレウス管のバルーンを膨らませて内視鏡を抜くようにすれば、イレウス管は抜けてこない。

  イレウス管:当院で使用しているイレウス管はクリエートメディック株式会社のCLINYイレウスチューブハイフロータイプで,18Fr2400mmのものである.色々なものを試した結果,このタイプのものが一番使いやすかった.


11.腹水穿刺の仕方

  腹水の確認はまずエコーにて行い、エコーガイド下に行うのが一番安全であるが、一般的には穿刺部位は腹直筋外縁に沿って行うが,膀胱上窩が穿刺しやすいこともある。局麻をした後、ピンク針(18番針)をゆっくり刺していく。腹膜を通るときには軽い痛みと抵抗がある。注射器等は付けず、自然滴下に任せる。そのまま出てくる液を受け、血液検査に提出(緊検の項目で)する。絞扼性イレウスでは血性となるが、漿液性でも絞扼性イレウスを否定は出来ない。腹水量が増加するときには厳重な経過観察・再度の腹水穿刺が必要であし、イレウス管を挿入して減圧しても腹水量が増加するようであれば、開腹したほうが安全である。


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