自宅のLinuxサーバーにDeleGateを入れて，POP3プロトコルを中継する方法のメモです。本来のポート番号（110）以外で接続する必要がある場合に有用です。
これは単なるメモなので，細かい解説はしません。わかる人だけ参考にしてください。
自宅に設置しているLinuxサーバーにDeleGateをインストールします。LinuxはRedhat Linux 9.0を使っています。
- DeleGateの入手
DeleGateのLinux版（UNIX版）はバイナリでは配布されていません。DeleGateの公式サイトから最新版のソースをダウンロードします。Beta版ではなくStable版から最新のバージョンを選択するのが良いと思われます。
- 解凍とコンパイル
ダウンロードしたアーカイブを適当な作業フォルダに置き，tarで展開します。
tar zxvf delegate8.7.5.tar.gz
Makefileの中のADMIN=の行を修正して自分のメールアドレスを記入します。
cd delegate8.7.5
vi src/Makefile
ADMIN=undef → ADMIN=自分のメールアドレス に変更して保存します。
環境変数を設定してコンパイルを実行します。
CC=/usr/bin/gcc296
export CC
make PATH=".:$PATH"
src/delegated が作成されます。
- インストール
所定のディレクトリに置き，オーナーを設定します。スプールのディレクトリも作ります。
cp src/delegated /usr/local/bin
chown nobody.nobody /usr/local/bin/delegated
mkdir /var/spool/delegate
chown nobody.nobody /var/spool/delegate
ここでは /usr/local/bin に置きましたが，もちろん他の場所でもかまいません。
- 自動起動スクリプトの作成
これで一応DeleGateを動かす準備は出来ましたが，どうせならLinuxの起動時に自動的に起動するように設定した方が便利です。以下のようにスクリプトを作成します。
/etc/init.d/delegated を以下の内容で作成します。
# delegated configuration
/usr/local/bin/delegated \
-P8110 \
SERVER=pop://mail.example.com/ \
VARDIR=/var/spool/delegate \
OWNER=nobody/nobody \
PERMIT="*:*:172.16.1.1,192.168.*"
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この設定例では，ポート8110で接続したパケットを外部のPOP3メールサーバー mail.example.com へ中継します。PERMITの行で接続元のIPアドレスを制限しています。
作成したら属性を設定してリンクを張ります。
chmod +x delegated
cd /etc/rc3.d
ln -s ../init.d/delegated S99delegated
cd /etc/rc5.d
ln -s ../init.d/delegated S99delegated
Linuxを再起動して，自動起動することを確認します。
接続元のPC上のPOP3クライアントでこのサーバーをPOP3サーバーとして設定し，ポート8110を指定してアクセスします。POP3メールサーバー
mail.example.com からメールを読み出すことが可能になります。
POP3に限らず，telnetなどでも同様に中継させることが可能です。中継するポート毎に別々の受けポート番号を指定して，個別に複数のdelegatedを起動します。ただしこれらのプロトコルは接続先をdelegatedのコマンドライン引数で指定してやる必要があるため，任意のサーバーにつながるような中継サーバーは作れません。
別な選択肢としては，
stoneというパケット中継ソフトもあるようです。私は試していないのですが，stoneは複数のポートの中継を１プロセスで実行できるので，多数のポートを中継する場合はDeleGateより便利かもしれません。
Windowsを中継サーバーとする場合はDeleGateやstoneも使えますが，GUIで簡単に設定できる
BlackJumboDogというソフトもあります。
１．DeleGateのインストールと設定