初版:2002/05/04 改訂:2002/08/26 |
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DVD-RW導入記(3) −フォローアップ情報−
DVD-RW導入記(1),(2)を書いてから半年が経過しました。こういう分野は当然ながら動きが早いため,わずか半年の間でもめまぐるしく状況が変化してきています。一部はすでに古い情報になってしまった部分がありますので,そういう部分をフォローした情報だけでも書いておこうと思いました。内容的には乏しいですが,以前のレポートと併せてごらんください。
CONTENTS
DVD規格は
DVDフォーラムという業界団体によって策定されたものですが,このDVDフォーラムの会員でもある一部の企業(ソニー,フィリップス等)が
DVD+RWアライアンスという別な団体を作り,DVD+RWという独自のリライタブルメディア規格を策定したという経緯は以前もレポートしました。
昨年,このDVD+RWアライアンスから新たに
DVD+Rという規格が発表されました。これはDVD-Rと同様に有機色素を使って記録するライトワンスメディアですが,DVD-Rとは別の規格なので書き込みに関しては互換性はありません。読み出しはもちろんどちらもDVD-ROM互換です。
DVD+Rではロスレスリンキング(
BURN-Proofや
JustLinkの技術)を規格として義務づけ,追記をやりやすくしたという所で独自性を主張しています。しかし実際にはDVD-R規格でも義務づけていないだけでロスレスリンキングの実装は可能です(パイオニアDVR-103等では実装されています)から,特に優位性があるわけではありません。むしろ政治的な理由からDVD-Rを採用できない事情があるということなのでしょう。
ともあれ,これで書き込み可能なDVDメディアは次の5種類に増えてしまいました。後はDVD+RAMがあれば完璧だという冗談も聞こえてきます。(笑)
- プロ用のDVD-R for Authoringについては一般のエンドユーザが使うものではありませんので除外しました。
- DVD-R/DVD-RAM/DVD-RWには両面(9.4GB,5.2GB)のメディアもあります。しかしこれは手動でひっくり返して使うもので,単に2枚が1枚になっているだけです。両面分の容量を一括して同時に使えるわけではありません。
- プレス製造される市販DVDソフトには片面2層記録で8.5GBのものがありますが,書き込み可能なメディアで2層記録を実現しているものはありません。
さまざまなテスト結果などの情報を総合して,各メディアの再生互換性を整理すると次のようになります。
表2.各メディアの再生互換性
メディア |
パソコン用DVD-ROMドライブでの読み取り |
DVDプレーヤー(AV機器)での再生 |
DVD-R DVD+R |
ほぼすべての製品で可能。 |
ほとんどの製品で可能だが,一部に非対応製品あり。 |
DVD-RAM |
可能なのは一部の対応製品(日立など)に限定される。 |
可能なのはごく一部の対応製品(松下など)に限定される。 |
DVD-RW DVD+RW |
ほとんどの製品で可能だが,一部に非対応製品あり。 |
対応している製品が多いが,非対応製品もかなりあるので要注意。 |
こうして見ると,再生互換性が最も優れているのはライトワンスメディア(DVD-RまたはDVD+R)であり,逆に最も不利なのはDVD-RAMであると言えます。これはDVD-RAM規格の策定当時,DVD-ROMとの互換性があまり重要視されていなかった(むしろ互換性が無いことでDVD-Videoの違法コピーを抑止できる利点があるとさえ考えられていた)ためです。当時はDVD-RAMが唯一のリライタブルな規格であり,いずれすべてのDVD-ROMドライブがDVD-RAMの読み取りに対応してくるだろうと予想されていたのですが,実際には各社の思惑の違いからそういう結果にはなりませんでした。
DVD-RWとDVD+RWはパソコン用のDVD-ROMドライブではたいてい問題なく読めるのですが,AV機器のDVDプレーヤーでは少し状況が厳しくなります。特にDVDプレーヤーとして最も普及している製品と言えるソニーPlayStation 2で再生できない点が大きなマイナス点になります。結局DVD-Videoディスクを制作して他人に配布するといった用途では,
ライトワンスメディアが必須になると言わざるを得ません。
DVD+RWアライアンス陣営ではDVD+RWの再生互換性がDVD-RWより優れていると宣伝しています。しかし実際にテストした結果(
参考文献を参照)を見ると,明確な優位性があるとは言えません。
どちらも大差ないというのが客観的な評価でしょう。同様にDVD+RとDVD-Rも再生互換性という点ではほぼ同等です。
もちろん,各メディアの存在価値は再生互換性だけで決まるものではありません。パソコン用のストレージ媒体として見た場合,リライタブルメディアはデータの置き換えや追加が多い用途には便利に使えます。特に後発のDVD+RWはファイル単位でデータを書き換えるような使い方に良く配慮された仕様になっています。また,DVD-RAMはWindows XPが標準でサポートしているため,ドライバを手動で追加しなくても使えるという利点があります。
次に各メディアに対応したドライブについて整理します。パッケージとして売られている製品は前回のレポート時点より大幅に増えてしまったため,全部リストアップするのは無理があります。そこで,ここではそれらの製品が採用しているドライブユニットだけを整理してみました。こちらもずいぶん種類が増えています。
パイオニアの
DVR-104は,型番が示す通りDVR-103の後継ドライブです。2002年1月に発表されたソニー
新型VAIOやアップル
新型iMacから採用が始まり,最近になって単体のドライブ製品も登場してきました。
マイナーチェンジ版にすぎないため,既存のDVR-103ユーザがわざわざ買い替えるほどのものではありません。
日立エルジーの
GMA-4020BはDVDマルチドライブと呼ばれるもので,DVDフォーラム側のすべてのメディアに対応しています。表に示す通り性能も高いため注目の製品なのですが,当初予定されていた2002年1月の出荷は遅れており,4月になってもいまだに製品は流通していません。また,松下も
同様のDVDマルチドライブを今年製品化する予定です。
リコーからはDVD+Rに対応した
MP5125Aが発売されました。これはハードウエア自体も変更されているため,旧モデルの
MP5120Aをアップグレードして同等品にすることはできないそうです。MP5120Aの発売時点(2001年9月末)では「互換性はDVD+RWだけで十分だ」といった話をしておきながら,いまさら「高い互換性を確保するためにDVD+Rを追加した」というのでは,あまり良い印象がありません。しかもわずか半年の違いしかないわけですし。アップグレードが無理なら,せめてMP5120Aユーザを対象とした優待販売ぐらいはやるべきなのではないでしょうか。
前回レポートした時点では,DVD-R/RWドライブとDVD-RAM/Rドライブとの間に2倍近い価格差がありました。しかし今はどの方式もベアドライブで4〜5万円ぐらいになっており,方式による価格差は事実上無くなっています。
一般用のDVDオーサリングソフトも,この半年の間に数多くの製品が出てきました(
表4)。新しい製品は初心者でも簡単にDVDを制作できるという事に力点を置いた安価な製品がほとんどです。簡単なのは良いことですが,決められた形式のメニュー画面しか作れないなど機能的な制約も受けてしまうわけで,なかなかカユイところに手が届かないといったこともあります。まだ各社ともDVDオーサリングソフトのノウハウが少ないため,あまり多くの機能を盛り込むことができないということもあるようです。
表4.一般用DVDオーサリングソフト (2002年4月現在)
メーカー |
製品 |
価格 |
備考 |
アプリックス |
WinCDR 7.0 ULTIMATE DVD |
14,800円 |
CD/DVDライティングソフト+DVDオーサリング機能 |
B.H.A |
B's DVD Artist |
7,800円 |
2002/05/17 発売予定。CD/DVDライティングソフトにバンドルした製品(B's Recorder GOLD5 DX)もある。 |
ダイキン |
ReelDVD |
128,000円 |
|
イージーシステムズジャパン |
DigiOnAuthor for DVD |
19,800円 |
|
DigiOnVideo |
14,800円 |
ビデオ編集ソフト+DVDオーサリング機能 |
Drag'n Drop CD Plus DVD Edition |
9,800円 |
CD/DVDライティングソフト+DVDオーサリング機能 |
長瀬産業 |
neoDVD standard
|
14,800円 |
|
SpruceUP
|
8,900円 |
開発元のSpruce社がApple社に買収されたため今後の改良は望み薄い。 |
ノバック |
DVD Craft |
9,800円 |
|
サイバーリンク |
PowerDirector 2.0 PRO |
13,800円 |
ビデオ編集ソフト+DVDオーサリング機能 |
ソニックジャパン |
DVDit! PE |
59,800円 |
SEからのアップグレードは28,800円 LEからのアップグレードは37,800円 |
DVDit! SE |
29,800円 |
LEからのアップグレードは9,800円 |
DVDit! LE |
− |
OEM専用製品 |
DVDit! for VAIO |
− |
ソニーOEM専用製品 |
MyDVD |
− |
今のところOEMのみ(単体製品としても発売予定) |
ソニー |
Simple DVD Maker |
− |
VAIO登録ユーザに無償提供(VAIO以外では動作不可) |
ソースネクスト |
DVBORG5 |
14,800円 |
ビデオ編集ソフト+DVDオーサリング機能 |
ユーリードシステムズ |
DVD Workshop |
24,800円 |
2002/06/07 発売予定 |
DVD MovieWriter |
8,800円 |
|
Ulead Video Studio |
14,800円 |
ビデオ編集ソフト+DVDオーサリング機能 |
ReelDVDだけ高価ですが,これはプロ用オーサリングソフトであるScenaristのサブセット版という位置づけで,これ自体もプロ用として使えなくはないという製品です。同様に
DVDit! PEも準プロ用と言えますが,ReelDVDよりは多少機能的に劣る部分があります。しかしこの両者は歴史がある分,新参の低価格ソフトとは一線を画しています。まだ生まれたばかりの分野なので,今後各社が切磋琢磨してReelDVDやDVDit! PEが要らなくなる時代が早く来てほしいものです。
2002年3月にDVDit!シリーズが
Version 2.5にバージョンアップされました。同時にPEの価格が大幅に値下げされ,かなり買いやすくなりました(
表5)。書き込み可能なDVDドライブや各種ビデオ編集関連製品にはDVDit! LEまたはSEがオマケとして付いていることが多いので,ほとんどの人は37,800円以下でPEを購入できることになります。
表5.DVDit! PEの値下げ
購入方法 |
2.3の価格 |
2.5の価格 |
新規購入 |
128,000円 |
59,800円 |
SEからのアップグレード |
109,800円 |
28,800円 |
LEからのアップグレード |
109,800円 |
37,800円 |
for VAIOからのアップグレード |
19,800円 |
19,800円 |
一方,ソニーOEM版の
DVDit! for VAIOでは従来,上位バージョンとして
DVDit! PRO for VAIOという製品がありました。もちろん2.5でもこれはあるのですが,パッケージ自体が完全にPEと同じものになったようです。元々2.3の時も起動時に表示されるロゴ画面以外には何も違いは無いという状態でしたから,これも合理化なのでしょう。そういうわけで私もさっそくバージョンアップCD-ROMを購入しました。すでに手元に届いているのですが,残念ながらじっくり使い込んでいる時間が無かったため,具体的な使い勝手や印象についてはまた次の機会にレポートしたいと思います。
2.5では内蔵エンコーダによるMPEG2エンコードが高速化されたといった話もありますが,これは元々カタツムリだったものが人間並みになったというだけのことです(笑)。全体的にはそれほど大きな変更は無く,対応OS/対応ドライブの追加や細かいバグ修正などが
バージョンアップの主な内容のようです。
一般用のDVD-Rドライブが登場する前は,DVDオーサリングソフトにはプロ用の製品しかありませんでした。プロ用の製品では日本のダイキン(エアコンで有名な会社です)と,アメリカのSonic Solutions社およびSpruce Technology社が有名で,それぞれ次のような製品を出していました。
価格に関してはダイキン以外ははっきりとは示していないケースが多いです。プロ用製品というのはだいたいそういうものなのですが,いずれにせよ非常に高価で,個人が趣味のために簡単に購入できるようなものではありません。一般用の安価なソフトとの違いは,機能や使い勝手ということになります。DVD-Videoは本来それだけでアドベンチャーゲームが作れてしまうほど多機能なシステムです。安価なソフトでは実装されていないマルチアングルやマルチストーリー,字幕表示,5.1ch音声,多言語対応といった高度な機能をこれらのプロ用製品ではサポートしています。
昨年,この3社について2つの大きな動きがありました。まず2001年4月に
ダイキン,Sonic両社のDVDオーサリングソフト開発部門が統合され,ScenaristとReelDVDは両社の製品として販売されるようになりました。Sonic社側は非常に多くのオーサリング製品を抱えることになってしまいましたので,いずれなんらかの整理統合が行われるのではないかと思います。もっとも日本ではダイキンがこれらの販売とサポートを継続しているため,ユーザからは何も変わっていないように見えます。
また2001年7月には,Spruce社をApple Computer社が買収してしまいました。旧Spruce社の開発スタッフはMacintosh用DVDオーサリングソフトの開発に振り向けられているものと思われ,DVDMaestro等の製品は今後の展望が望めなくなっています。
ここでDVD-Videoの音声フォーマットについて改めて整理してみたいと思います。というのも,情報が不足しているためか誤解している人が多いからです。DVD-Video規格でサポートしている音声フォーマットは以下の4種類です。
表7.DVD-Videoの音声フォーマット
フォーマット |
チャネル数 |
ビットレート |
詳細 |
リニアPCM |
1〜8 |
768〜6144kbps |
無圧縮音声。16/20/24bit量子化で,サンプリング周波数48kHzまたは96kHz。音楽CD互換の44.1kHzはDVD-Videoではサポートしていない(DVD-Audio規格ではサポートしている)。 |
Dolby Digital(AC-3) |
1〜5.1 |
64〜448kbps |
圧縮音声。通常5.1chでは384kbps,2chでは192kbpsが使われることが多い。6.1chに拡張したDolby Digital EXというフォーマットもある。 |
MPEG-2 Audio BC Layer 2(MP2) |
1〜5.1, 7.1 |
32〜912kbps |
圧縮音声。MPEG-2 Audio BCはMPEG-1 Audioと基本的に同じで,対応チャネル数などの仕様を拡大したもの。つまり2ch以下ならば一般的なMP2音声と全く同じと考えて良い。MP3やMPEG-2 AACはDVD-Videoではサポートされていない。 |
DTS |
1〜5.1 |
64〜1536kbps |
圧縮音声。AC-3より圧縮率が低く,高音質が確保できると言われている。6.1chに拡張したDTS-ESというフォーマットもある。 |
DVDプレーヤーはこれら4種類のフォーマットすべてに対応しなくてはならないというわけではありません。地域によって異なりますが,それぞれ必須とされているものとオプション扱いのものがあります。
表8.DVDプレーヤーが対応する音声フォーマット
フォーマット |
日本・アメリカ(NTSC圏) |
ヨーロッパ(PAL/SECAM圏) |
リニアPCM |
必須 |
必須 |
Dolby Digital(AC-3) |
必須 |
オプション |
MPEG-2 Audio BC Layer 2(MP2) |
オプション |
必須 |
DTS |
オプション |
オプション |
このように日本のすべてのDVDプレーヤーで再生できることが保証されているのは
リニアPCMかAC-3のどちらかです。MP2は保証されませんから,市販DVDソフトでMP2音声のものはありません。しかし,実際には多くのDVDプレーヤーでMP2音声のDVDも再生できるようです。これは次の2つの理由によるものと考えられます。
- 製品設計および部品の世界共通化で最初からAC-3とMP2の両方のデコーダを搭載する設計になっているものが多い。
- VideoCDの音声フォーマットがMP2であるため,VideoCDにも対応するDVDプレーヤーではMP2デコーダを搭載しなくてはならない。
ただしVideoCD対応のDVDプレーヤーなら必ずMP2音声のDVDも再生できるという保証があるわけではありませんので,注意してください。結局実際に再生してみないと分からないということです。PlayStation 2ではDVD Player 2.0以降(旧版のユーザは
リモコンキット[3,500円]を買えば入手可能)でMP2音声に対応しているようです。
DVD-VideoではMPEG-2でコンテンツが記録されているということは非常によく知られています。もちろん映像についてはこれで正しいのですが,音声に関しては少し異なります。というのも,
MPEG-2規格では音声フォーマットとしてMPEG-2 Audio BCとMPEG-2 AACしか定義していないからです。リニアPCMやAC-3,DTSはいずれもMPEG-2規格にはありません。つまりDVD-Videoでは,原則的にMPEG-2規格から外れた方法で音声を記録しているということになります。
このことは,少し面倒な問題を引き起こしています。一般的なMPEG-2対応ビデオキャプチャ製品では,MPEG-2の規格にしたがってデータを作成します。つまりキャプチャしたMPEG-2ファイルでは音声はMP2フォーマットで多重化されているのが普通です。これをMP2音声のままDVDに焼くと,上記のように日本では互換性が完全に保証されないDVDになってしまうのです。
DVDオーサリングソフトではMP2音声をそのまま焼くものと,DVDit!のように
強制的にリニアPCMまたはAC-3への変換を行うものとがあります。全部承知の上でMP2音声のまま焼くのであれば問題ありませんが,最終的にリニアPCMやAC-3で焼くのであれば,MPEG-2の作成段階で
音声だけリニアPCMでデータを作成した方が音質や処理時間に関して有利だと言えます。
書き込み可能なDVDに関する現在の状況についていろいろとレポートしてきましたが,それでは今,ドライブやオーサリングソフトを購入するならば何を選択するのが良いのか考えてみましょう。
まずドライブについては,ライトワンスメディア(DVD-RまたはDVD+R)に対応したドライブを選ぶべきだと思います。リライタブルメディアはどの方式でも,読めないドライブに遭遇する可能性が存在します。しかしライトワンスメディアなら,データの長期保存や他人との交換におけるリスクはほとんど無くなります。
リライタブルメディアは配布用途よりも個人的な保存用途が使い方の中心になると思います。したがってこれは自分の好みで選べば良いでしょう。ファイル単位での書き換えが容易だが再生互換性が低いDVD-RAMと,その逆の特徴を持つDVD-RW,そして両方の長所を併せ持つDVD+RWという位置づけになります。DVD+RWが一番優れているわけですが,DVDフォーラムの規格では無いこともあってサポートするメーカーがこの先どこまで増えるのか若干の不安も感じます。元々の規格提唱者であるソニー自身がなかなかVAIOに採用せず及び腰なのも気になる所です。
パッケージとして売られているドライブ製品ではライティングソフトやオーサリングソフト等が付属しているものがほとんどなので,ドライブの選択にあたっては付属ソフトについても検討する必要があります。もちろん付属のソフトしか使えないというわけではないので,気に入らなければ他のソフトを買ってくれば良いのですが,トータルコストは当然変わってきます。
データDVD-ROMのライティングソフトは
PrimoDVDや
WinCDR 7.0 ULTIMATE DVD,
B's Recorder GOLD5などいろいろと出ていますが,どれを使ってもそれほど大きな違いは無いようです。実際,私はPrimoDVDを使っていますが,ブータブルCDを焼くことができない点以外には特に不満を感じていません(後継製品のRecordNow MAX3で可能になったようです)。
DVD-Videoのオーサリングソフトは前述のように
ReelDVDと
DVDit! PEが別格で,安いソフトはそれなりに機能が制限されます。もちろん以前もレポートしたようにDVDit! PE(=DVDit! PRO for VAIO)は決して操作性の良いソフトではありません。環境によっては不安定で,作業中によく落ちてまったく使い物にならないという声も聞きます。しかし私の環境では安定して使えています。いろいろな人の話を聞いても,安定して使えているという人と不安定だという人に分かれており,またどういう環境だと不安定になるのか原因がはっきりしないため少々やっかいです。可能ならReelDVDを導入するのが最善なのではないかと思われます。
低価格ソフトの中で割と良い評判を聞くのは
DVD MovieWriterですね。上位ソフトの
DVD Workshopも良さそうです。ただしどちらもAC-3音声を焼くことはできません。AC-3音声を焼ける一般用オーサリングソフトは非常に少なく,次の3製品しかありません。
他のソフトでは音声はリニアPCMまたはMP2になってしまいます。なお,SpruceUPとDVDit for VAIOでもAC-3音声をインポートすることだけはできますが,独立したAC-3エンコーダソフトはどれもDVDit! PEより高価なのであまり意味がありません。
以上をふまえて,書き込み可能なDVDドライブを今購入するとしたら,次のような考え方になると思います。
まずDVD-RAM/RのLF-D321JDを使ったドライブは候補から外します。これは登場した時はDVR-103より大幅に安いという利点がありましたが,今はどのドライブもほぼ同じ価格帯になってしまいましたし,DVD-Rが等倍速しかなくCD-R/RWが焼けないといったマイナス点ばかりが目立ってしまいます。後継ドライブの登場が待たれます。
ライトワンスに対応していないMP5120Aを候補から外すと,結局DVR-103/104(DVD-R/RWドライブ)かMP5125A(DVD+RW/+Rドライブ)かという選択になります。性能面ではMP5125Aが優位ですが,前述のようにDVDフォーラム規格ではないことから来る不安もありますので,ファイル単位でのデータ更新にあまり執着しないのであればDVR-103/104という選択もあると思います。これらのドライブはパイオニア/リコー自身から販売されている製品もあれば,OEM製品もあります。付属ソフトの内容と,IEEE1394外付けかATAPI内蔵型かはOEM先によって細かく異なりますので,自分のニーズにあった構成のOEM製品を探すと良いでしょう。
シリーズであるため「DVD-RW導入記(3)」というタイトルになっていますが,今回は書き込み可能なDVDに関する最新情報を整理しただけのレポートになってしまいました。DVDit! PE 2.5を実際に使った感触については,いずれ改めてご報告したいと思います。
【注意】 ReelDVDですが,現行の2.5ではDVR-104(DVR-A04J)等の新しいドライブに対応できていないという情報があります。購入を考えている方は事前に必ず確認してください。(2002/08/26 追記)
参考文献
更新履歴
2002/05/04 |
初版 |
2002/08/26 |
ReelDVDに関する注意事項を追加 |