かつてパソコンのプログラム開発で生計を立てていた頃は,MS-DOS用のフリーソフトウエアをいくつか作って公表していました。今はそういう仕事から引退してしまったこともあって,趣味のプログラム開発もなかなかできなくなっています。常用するパソコンのOS環境もWindowsになって久しく,これらの自作フリーソフトウエアも今や自分自身でさえめったに使わなくなってしまいました。
そんな骨董品のようなフリーソフトウエアをいつまでも自慢げに並べておくのも見苦しいので,ここからは撤去しました。どうしても欲しいという奇特な方はベクターのサイトに残っていますので,そちらから入手してください。URLは以下の通りです。
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/person/an000009.html
元々これらのフリーソフトウエアは,自分が使いたいから作ったものです。Windowsの時代になっても同じようなニーズがあるのは変わりません。そこで,私が今これらの用途に使っているソフトウエアをご紹介します。フリーソフトウエアもあれば市販ソフトもあります。
Windows上では,ディレクトリ上のファイルの並びを物理的にソートするプログラムは無いみたいです。世界のどこかには存在するのかもしれませんが,私は知りません。実際問題として,WindowsのExplorerの画面上ではファイルは常にソートされて表示されますから,物理的にソートする必要性はほとんど無くなっていると言えます。とはいえ,アーカイブファイルを作成する時には,その中身はソートされていて欲しいと思うことは結構あります。そういう時に便利なのが「
ExpLzh for Windows」というアーカイバです。
ExpLzhはExplorer風の操作画面を持ち,
統合アーカイバプロジェクトの提供する各種DLLを使って動作します。似たようなアーカイバは世の中に沢山ありますが,私がこれを選択したのは以下の3つの特長を評価したからです。
- アーカイブ作成時に,ファイルをソートして格納できる。
- アーカイブのタイムスタンプを中の最新ファイルのタイムスタンプに合わせることができる(アーカイブ作成時だけでなく既存のアーカイブについても修正可能)。
- 統合アーカイバプロジェクトの提供するDLLの更新をチェックし,最新版を半自動で簡単にダウンロードしてアップデートすることができる。
ExpLzhはシェアウエアですが,価格は1000円と安いですし,価格以上の価値があるのは間違いありません。
私が作成したTOUCHはMS-DOS上でファイルのタイムスタンプを変更するツールですが,次の2つの特長を持っていました。
- アーカイブのタイムスタンプを中の最新ファイルのタイムスタンプに合わせることができる。
- ディレクトリのタイムスタンプを変更できる。
Windows上では,前者の機能は前述の「ExpLzh for Windows」で実現可能です。後者の機能は「
簡単エクスプローラ拡張 EzExpEx」というフリーソフトウエアを使うのが便利です。
コマンドラインから使えるtouchが欲しい場合には,フリーで配布されている「
Borland C++ Compiler 5.5」に付属している touch.exe がオススメです。アーカイブ関係の機能はありませんが,ディレクトリのタイムスタンプを変更することができます。
LDFORM & LDCOPY を発表した時には,同種のソフトはほとんどありませんでした。今はこの分野には非常に有名な市販ソフトがありますね。
PowerQuest/ネットジャパンの「
PartitionMagic」と「
Drive Image」です。
これらのツールは LDFORM & LDCOPY よりはるかに高度な作業をスマートにやってくれます。もちろん私も愛用していますが,最近は別の会社の製品を使うことが多くなってきました。それが
Acronis/ソフトボートの「
PartitionExpert」と「
TrueImage」です。
なんかパチモンみたいなネーミングですが,後発だけあって先行するPowerQuest製品をよく研究しています。特徴を整理すると次のようになります。
PartitionExpert 2003
PartitionMagic 8.0より優れている点:
- CDブートで使用可能
- 処理が速い
- サーバーOS(Windows 2000 Server等)が入っていても動く
- Linux Ext2−Ext3の変換機能
- Linux区画のリサイズ等の操作が可能(Ext2/Ext3/ReiserFS/Linux SWAP)
PartitionMagic 8.0より劣る点:
- ブートセレクタ(BootMagicに相当するもの)が付属していない
- パーティションの分割・結合ができない
- NTFS−FAT32の変換機能がない(FAT16−FAT32は可能)
- NTFSのクラスタサイズ変更ができない
- ドライブレターが変わった時にショートカットやファイルの関連付けを自動修正する機能(DriveMapperに相当するもの)が付属していない
TrueImage 6.0
Drive Image 2002より優れている点:
- 稼働中のシステムドライブ(通常はC:ドライブ)のイメージを作成することが可能。
- イメージファイルを論理ドライブとしてマウントし,中のファイルを参照することが可能。
Drive Imageでも専用ツールでイメージファイルの中身をブラウズできるが,TrueImageではリードオンリーの論理ドライブとしてマウントできるので,ファイルをブラウズするだけでなく直接他のアプリで開いたりすることも可能と汎用性が高い。
Drive Image 2002より劣る点:
- イメージをCD-Rに書き込む際にプログラム自体も追加してブータブルなリカバリーCDを作成する機能が無い。
両ソフト共に,買ってきたマスターCDを直接ブートしてそのまま使える点が便利ですね。PartitionExpertについては,BootMagicに相当するブートセレクタが付いていないなど全体的にはイマイチという印象が強いのですが,TrueImageはホントによくできていると思います。
AVというのはファイルの拡張子に応じてあらかじめ設定していたプログラムを自動的に選択して起動するというツールです。WindowsではOS自体に備わっている機能ですが,MS-DOSにはそんな機能はありませんでした。AVを作成した動機は,大量の画像ファイルをスムーズに閲覧したいというニーズからなのですが,今はExplorer自体にサムネイル表示機能があったりするので,あまり特別ツールは要らない感じです。強いて言えば,「
ACDSee」という画像管理ソフトが便利なのでオススメです。これは画像ファイルのサムネイル表示やスライドショーを高速に行ってくれるツールで,最大の特長はそのスピードです。表示が非常に速くて快適です。さらに巷に出回っているほとんどの画像フォーマットに対応していますし,
Susie のプラグインを使って表示することもできます。
なおACDSeeですが,日本語版の開発はいつも遅れ気味で,英語版より半年以上リリースが遅くなることが多いようです。私は4.0までは日本語版を使っていましたが,5.0は英語版を
アメリカ側のサイトから直接ダウンロード販売で購入しました。英語版でも日本語ファイル名への対応は全く問題ありません。機能面でも日本語版に劣る部分は特に無いようで,Susieプラグインにも対応しています。単にメニュー等が日本語化されていないだけという印象です。